世界初のハイビート自動巻きクロノグラフ専用ムーブメント
「エル・プリメロ」の誕生50周年という節目の年を迎えたZENITH(ゼニス)は、
世界最大の時計見本市バーゼルワールド 2019にて、アニバーサリー・イヤーにふさわしい新作を発表した。
それこそが、画期的な機構“オシレーター”を搭載した「デファイ インベンター」だ。
時計店YOSHIDA(ヨシダ)ではいち早く、この革新的なモデルに注目。
両社のコラボレーションによる「デファイ インベンター YOSHIDAスペシャル」の紹介を交え、その実力を検証する。
Photos & Movie: Masahiro Okamura (CROSSOVER) / Art Direction: Takaaki Yagi (FORM::PROCESS) / Text: Yuzo Takeishi / Edit: Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive(グレッシブ)」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。
世界のどこよりも
先駆けて展開する、
「デファイ インベンター」
スペシャルモデルの全貌
「デファイ インベンター」の原型となる「デファイ ラボ」が発表されたのは2017年秋のこと。それは、世界限定10本というごくわずかな販売本数ではあったが、このとき東京・六本木の発表会場に集まったリテーラーやメディア関係者は一様にこのモデルに対する驚きを露にした。それもそのはず、「デファイ ラボ」には全く新しい調速機構である“オシレーター”が搭載されていたのだから。
“オシレーター”とは、テンプやヒゲゼンマイ、アンクル、緩急針を厚さわずか0.5mmのシリコン製パーツに一体化させた独自の調速機構。毎時12万9600振動という高速振動によって精度を高め、パワーリザーブは50時間以上をマーク(「デファイ ラボ」発表時は毎時10万8000振動、パワーリザーブ60時間)。しかも、シリコン素材なので磁気の影響を受けず、注油不要でメインテナンス・フリーも実現するなど、腕時計としてはメリットばかり。当然、このような革新的機構に対し、YOSHIDAオーナー・吉田勉は人一倍興味を示す。
それから2年後の2019年。ゼニスは“オシレーター”を搭載した「デファイ インベンター」をバーゼルワールドで発表する。それは、「エル・プリメロ」が製作されてからちょうど50年という節目の年。名機の誕生から半世紀の時を経て新たに生み出された画期的タイムピースとなったわけだ。
すでに2年前、YOSHIDAは“オシレーター”に注目していたため、この機構を搭載した「デファイ インベンター」の取り扱いを即座に決定するのみならず、コラボレーション・ピースの製造をも依頼。それが2019年12月に発売を予定している「デファイ インベンター YOSHIDAスペシャル」である。
デファイ インベンター YOSHIDAスペシャル
ゼニス独自の調速機構“オシレーター”を搭載した2019年の新作「デファイ インベンター」。
このモデルとのコラボレートをいち早く実現して誕生したのが「デファイ インベンター YOSHIDAスペシャル」だ。
レギュラーモデルで象徴的だったブルーのカラーを排し、
オシレーターを上下から抑えるグリッドパーツをブラックにすることで、ツートーンのクールなルックスに。
これにより、チタンの約3分の1の軽さを実現した“アエロナイト”のベゼルがより一層強調されているのも特筆だ。
■95.9002.9100/76.R919 ■44mm ■チタンケース ■ブラックファブリック×ブラックラバーストラップ
■自動巻き ■5気圧防水 ■YOSHIDAスペシャル 限定100本 ■¥2,420,000(税込)
ツートーンの構成がクールな
「デファイ インベンター
YOSHIDAスペシャル」
「デファイ インベンター」が掲げるのは、“革新的なエンジンを包むコンテンポラリーなデザイン”。オープンワークのダイアルからはキャリバー9100が高振動で激しく動く様子が眺められ、しかもブラッシュ仕上げのチタン製ケースにアルミニウムの合成素材である“アエロナイト”のベゼルを組み合わせたデザインは、実に独創的なものだ。
このデザインをベースに、「デファイ インベンター YOSHIDAスペシャル」はより洗練されたルックスを実現。特徴的なダイアルのグリッドパーツをレギュラーモデルのブルーからブラックに変更し、ストラップもブラックファブリックを施したラバーストラップを採用した。これにより、ブラックとシルバーのモノトーンでまとめられた、クールな佇まいが印象的な1本に仕上がっている。とりわけ、グリッドパーツをブラックに変えたことで、独特な質感を持ったアエロナイト・ベゼルの存在感が際立って見えるのは、スペシャルモデルの大きな魅力と言えるだろう。
「デファイ インベンター YOSHIDAスペシャル」は限定100本が販売される。それまでのスペシャルモデルが数十本であることを考えると、YOSHIDAがこのモデルに対し、いかに注力しているかがうかがえる。

洗練を極めた
ゼニスの複雑機構4選
かつて「エル・プリメロ」を開発したように、ゼニスの技術革新は常に未来を見据えている。次世代のスタンダードにふさわしい最新鋭コンプリケーションを紹介する。
デファイ ZERO G YOSHIDAスペシャル
重力制御装置“グラビティ コントロール”モジュールを搭載した2017年発表の「デファイ ZERO G」。このモデルをベースにして2019年に10本限定でリリースされたコラボレート・モデルは、ケースにカーボン、ストラップにはファブリックを施し、端正な表情と軽快な装着感を約束する。
■10.9001.8812/78.R916 ■44mm ■カーボンケース ■ファブリックコーティングラバーストラップ ■手巻き ■10気圧防水 ■YOSHIDAスペシャル 限定10本 ■\15,400,000(税込)
デファイ エル・プリメロ21
YOSHIDAスペシャル
1/100秒の計測が可能なクロノグラフムーブメントを搭載し、クロノグラフ針が1秒でダイアルを1周するダイナミックな動きが堪能できる「デファイ エル・プリメロ21」。限定18本のYOSHIDAスペシャルは、ポリッシュ仕上げのホワイトゴールドケースを採用した極上の美しさが冴える。
■65.9000.9004/78.R582 ■44mm ■ホワイトゴールドケース ■アリゲーターコーティングラバーストラップ ■自動巻き ■10気圧防水 ■YOSHIDAスペシャル 限定18本 ■\3,410,000(税込)
クロノマスター エル・プリメロ
トゥールビヨン GFJ
トゥールビヨンにフュゼ・チェーン(鎖引き)キャリバー、フュゼ・チェーン脱進機を備えた世界限定150本のタイムピース。ダイアルから覗くチェーンはムーブメントに一定の動力を供給して精度を保つのみならず、アナログの味わい深さも楽しませてくれる。
■49.2520.4805/98.R576 ■45mm ■ブラックセラミックケース ■ブラックラバーストラップ ■手巻き ■5気圧防水 ■世界限定150本 ■\9,559,000(税込)
デファイ クラシック
スケルトン加工が施されたエリート・ムーブメントを搭載した2019年の新モデル。アンクルとガンギ車にはシリコンを用い、摩擦の軽減と高耐磁を実現。ケースにブラックセラミックを採用するのみならず、ダイアル外周もブラックに統一することで精悍な顔立ちに仕上げている。
■49.9000.670/77.R782 ■41mm ■ブラックセラミックケース ■ブラックラバーストラップ ■自動巻き ■10気圧防水 ■\880,000(税込)

YOSHIDA 東京本店
住所/東京都渋谷区幡ヶ谷2-13-5 Google Map
電話/03-3377-5401
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営業時間/10:00~20:00
休業日/年中無休(1月1日~1月3日を除く)
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