UP DATE: 2019. 06. 28
連載 パテック フィリップへの誘い
第9回:バーゼルワールド 2019新作 Part.2
180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
その正規販売店であり、世界を代表する時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
前回に続き、今回の特集では、世界最大規模の時計見本市バーゼルワールド 2019で発表された新作の中から
4つのハイエンドウォッチを紹介します。
「ノーチラス」の新作を
はじめ、
美観と実用性を
兼ね揃えたモデルが充実
腕時計の流行とは、いつの時代も変わらず、経済や世相を反映するものだと言え、それは歴史が証明しています。
この数年、時計市場において高価なスポーツウォッチに人気が集中している要因は、世界規模で進むファッションのカジュアル化が少なからず影響を与えていると考えられます。これはすなわち、ライフスタイルの変化から「スーツ=仕事着」という定義が変わりつつあることを裏付けています。
2019年現在、ハイエンドウォッチに求められていることは、ドレスウォッチに引けを取らないエレガンスとスポーツウォッチに比肩する実用性であり、市場を見渡すとこの2つの要素を兼備した時計が多くの支持を集めていることは誰の目にも明らかです。
パテック フィリップは、今から遡ること1976年、“スポーツ・エレガンスの象徴”である「ノーチラス」の発表以来、上記の条件を満たす時計を数多く手がけてきた実績があり、このジャンルにおけるパイオニアとも言うべき側面を持つブランドなのです。
CASE.1ローズゴールドで生まれ
変わった
Ref.5235の
ニューフェイス
2011年に発表されたRef.5235は「年次カレンダー」に属するモデルであり、パテック フィリップの現行コレクションでは唯一となるレギュレーター・タイプの時刻表示を採用しています。
最大の特徴であるセンターに分針、12時位置のサブダイヤルに時針、6時位置にスモールセコンドを配した文字盤は、時計製作工房や天文台などで基準時刻を示すために用いられた据置式振り子時計へのオマージュから誕生したのものです。それに加え、曜日、月、日付を表示する3つの大きな窓を備えることでクラシック&モダンを体現する独自のスタイルが完成します。心臓部を支える自動巻きムーブメントCal.31-260 REG QAの存在も忘れてはなりません。
バーゼルワールド 2019で発表されたRef.5235/50は、シックなホワイトゴールドのケースであった前作のRef.5235(2019年で生産終了)と打って変わって、ローズゴールドケースとグラファイトとエボニーブラックの2トーンの文字盤が鮮烈な印象を与える話題作です。オフホワイトで統一した転写インデックスとニス塗装を施した指針などからも外装への強いこだわりが感じられます。
スーツにもデニムにも似合う、ユーザーの日常に寄り添う「年次カレンダー」ならではの魅力を存分に味わえるはずです。
5235/50
■40.5mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.31-260 REG QA)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
ハイテク素材による部品を搭載したレギュレーター専用の自動巻きムーブメントは、
高い振動数による信頼性とコート・ド・ジュネーブ装飾を施した美しい仕上げを兼備する。
CASE.22つの複雑機構を
搭載した
「ノーチラス」
の最新作
パテック フィリップを代表するスポーツウォッチとして絶大な人気を誇る「ノーチラス」。デザインを手がけたのは、AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)のフラッグシップモデルである「ロイヤルオーク」と同様、稀代の天才時計師と謳われる故ジェラルド・ジェンタ氏です。1976年のファーストモデルRef.3700/1Aの発表以降、これまで様々な派生モデルを展開してきました。
今年、シリーズ待望の新作として、年次カレンダー搭載モデルのRef.5726/1Aに、新たにブラック・グラデーションのブルー文字盤(ブラックまたはシルバー・ホワイトの文字盤は生産終了)のブレスレットタイプが登場。このカラーリングと水平エンボスの仕様は、「ノーチラス」の原点であるRef.3700/1Aから踏襲しています。今から30年以上も前に考案されたスタイルですが、古びて見えるどころか、いつの時代も瑞々しい輝きを放ちます。
また、「ノーチラス」が非凡である理由のひとつとして、優れた防水性能が挙がります。このモデルは、約120m防水を実現しているため、アクティブなシーンでの着用も可能。パテック フィリップらしいブレスレットへのこだわりも見逃せません。ポリッシュ仕上げとサテン仕上げのコントラストが美しいブレスレットは快適な装着感を約束します。さらには、年次カレンダー搭載モデルということもあり、非常に優れた実用性を持ち合わせています。まさにスポーツ・エレガンスを体現する1本です。
CASE.3腕元にやわらかな
印象を演出する
年次カレンダー搭載
クロノグラフ
前回の特集で取り上げたRef.5172とともに、パテック フィリップのクロノグラフにおける新たな顔役として登場したのが、年次カレンダー搭載フライバック・クロノグラフRef.5905の新作にあたる18Kローズゴールドケース仕様のモデルです。
2015年に初登場したRef.5905は、これまではプラチナケースのみでブルーとブラックの文字盤で展開していました。ヴィンテージを彷彿させるスクエア型のプッシュボタンなどのディテールと年次カレンダー搭載モデル特有のモダンなデサインが見事に統合しています。
新たに仲間に加わったこのモデルの特筆すべき点は、ローズゴールドのケースとよく馴染むブラウン・ソレイユの文字盤です。外周に向かって徐々に深い色合いになるブラック・グラデーションの効果は、文字盤のみならず、時計全体の雰囲気に深みを与えています。これまでゴールドの時計に苦手意識を持っていた方にもお勧めの1本です。
5905
■42mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.CH 28-520 QA 24H)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.4「ノーチラス」の
魅力が凝縮した
レディスモデルの最新作
パテック フィリップ屈指の人気モデル「ノーチラス」を所有できるのは男性だけの特権ではありません。レディスモデルのバリエーションも充実しており、バーゼルワールド 2019では全5型の新作がラインナップに加わりました。
すっきりとしたプレーンゴールド・ベゼルを持つRef.7118/1は、シルバー・オパーリン、ゴールド・オパーリンの2カラーの文字盤を用意。32mm径のクオーツ仕様のモデルと比べると一回り大きい35.2mm径のケースサイズも特徴のひとつ。これによって、スポーティな印象を一段と高めています。
このモデルの魅力を語る上で外せないのが、+2~4mmの長さ調節機能の付いたブレスレットです。こちちらの新しい折り畳み式のバックルは、閉じた状態でブレスレットの片側または両側を引っ張るだけで着用中も簡単に調節することができるという優れもの。美観と実用を完璧に満たすところにパテック フィリップの真髄が感じられます。
7118/1
■35. 2mm(10-4時方向) ■18Kローズゴールドケース&ブレスレット(シルバー・オパーリン文字盤) ■自動巻き(Cal.324 S C)■60m防水 ■価格はお問い合わせください
7118/1
■35. 2mm(10-4時方向) ■18Kローズゴールドケース&ブレスレット(ゴールド・オパーリン文字盤) ■自動巻き(Cal.324 S C)■60m防水 ■価格はお問い合わせください
Store Info
取り扱い店舗
YOSHIDA 東京本店
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目13番5号 Google Map
営業時間 10:30~19:30
定休日 年中無休(年末年始を除く)
Tel. 03-3377-5401
Tel.03-3377-5401
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