連載高級時計を巡る旅

第136回：複雑機構と独自のデザインで魅せる、ウブロの最新作

#ウブロ #ビッグ・バン #クラシック・フュージョン #ミニッツリピーター #トゥールビヨン

ウブロ（HUBLOT）の最新作は、トゥールビヨンやミニッツリピーターといった機構を搭載する4モデル。
しかも、いずれのモデルも単に複雑機構を備えているだけではない。外装の仕上げやダイアルのカラーリングに独自性を与えており、
精悍さとモダンな雰囲気を兼ね備えつつも長きにわたって愛着が持てる、スペシャルモデルらしいタイムピースに仕上げている。

Photos: Masahiro Okamura(CROSSOVER) / Text：Yuzo Takeish / Edit：Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive（グレッシブ）」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。
※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。

外装素材とダイアルデザインの
違いで表情を一変させる
「ビッグ・バントゥールビヨン
クロノグラフ
カテドラル
ミニッツリピーター」

「ビッグ・バントゥールビヨンクロノグラフカテドラルミニッツリピーター」は、ウブロを代表するコンプリケーションウォッチのひとつ。モデル名が示す通り、トゥールビヨンとワンプッシュクロノグラフ、ミニッツリピーターを搭載したタイムピースで、とりわけウブロのリピーター機能は低音の余韻が心地よく響くことから、時計愛好家の高い評価も得ている。

　これらの超複雑機構はそのままに、本作は外装素材をいくつかのバリエーションで展開して注目を集めてきたが、その最新バージョンとして発表されたのが、「ビッグ・バントゥールビヨンクロノグラフカテドラルミニッツリピーターチタニウム」と「ビッグ・バントゥールビヨンクロノグラフカテドラルミニッツリピーターブルーグラデーション」の2モデルだ。

　前者は過去にリリースされたモデルと同様、その複雑機構を露わにするオープンワークを取り入れているが、とりわけ注目すべきは外装の仕上げだ。チタニウム製のケースとベゼルを徹底的に磨き上げることで、ステンレススチールと見紛うほどの上質な艶を見せるのみならず、オープンワークのダイアルと組み合わせることで、モダンかつインダストリアルな雰囲気を放っている。

　このモデルと対照的なのが後者で、ケースとベゼルにはマットな質感に仕上げられたブラックカーボンファイバーを採用。ダイアルは落ち着いたトーンのブルーグラデーションカラーで彩られており、ブラックカーボンファイバーケースと組み合わせた表情が精悍さを放つとともに、どことなく、月に照らされた夜空のような、幻想的な雰囲気も感じさせる。

ビッグ・バントゥールビヨンクロノグラフ
カテドラルミニッツリピーターチタニウム

■404.NS.0110.RX.YOS ■45mm
■チタニウムケース
■ブラックラバーストラップ(ブラックベルクロストラップ付属)
■HUB8110手巻きトゥールビヨンクロノグラフ
■3気圧(30m)防水
■世界限定12本
■￥40,766,000(税込)

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ビッグ・バントゥールビヨンクロノグラフ
カテドラルミニッツリピーター
ブルーグラデーション

■404.QU.5110.RX.YOS ■45mm
■カーボンファイバーケース
■ブラックラバーストラップ(ブラックベルクロストラップ付属)
■HUB8110手巻きトゥールビヨンクロノグラフ
■3気圧(30m)防水
■世界限定5本
■￥40,766,000(税込)

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日本の伝統色と軽快なブルーで
魅力をより高めた
「クラシック・フュージョン
スケルトントゥールビヨン」

　2021年に発売されたYOSHIDAスペシャルモデル「クラシック・フュージョントゥールビヨンブラックセラミック」は、ブラックセラミック製のケース＆ベゼルにブラックラッカー仕上げのダイアルを組み合わせた、オールブラックのタイムピースとして注目を集めた。しかも本作は、ケースには光沢感を与える一方、ベゼルはマットに仕上げるなど、各パーツを異なる質感にすることでコントラストが生まれ、立体的かつ高級感のある佇まいとなった。

　このモデルをベースに、22年にはダイアルをエレガントなブリティッシュグリーンで彩ったモデルを、続く23年には落ち着いたトーンのブルーグラデーションダイアルを組み合わせたモデルをそれぞれリリース。「長年にわたって使い続けられる」というコンセプトはそのままに、選択の幅を広げている。

　その最新バージョンが「クラシック・フュージョンスケルトントゥールビヨンヤマブキオレンジグラデーション」と「クラシック・フュージョンスケルトントゥールビヨンブルーグラデーション」の2モデル。とりわけユニークなのが前者だ。モデル名にも明記されている通り、ダイアルには日本の伝統色として知られる山吹色を採用。しかも単に上品な色合いであるだけではなく、丁寧な仕上げ分けが施されたブラックのケース＆ベゼルと組み合わせることで、赤みを帯びた黄色という繊細な色調がより際立っている。スペシャルモデルにふさわしい、カラーセレクトであると言えよう。

　一方の「クラシック・フュージョンスケルトントゥールビヨンブルーグラデーション」は、23年にリリースされた限定18本のブルーグラデーションモデルとはダイアルの色調を変え、より軽快感のあるグラデーションカラーが楽しめる1本。その鮮やかさは、ブラックで統一されたケース＆ベゼルと組み合わせることで一層際立っている。

　新たに発表されたスペシャルモデルはいずれも、ケースの丁寧な仕上げや鮮やかなダイアルカラーに目を奪われる快作揃い。こうした、ユニークで同時代性を感じさせるクリエイションを、ぜひ店頭で手に取って確かめてほしい。