1999年にリリースされた「Twenty~4」以来となる、実に25年ぶりの新コレクションが、パテック フィリップから登場した。
その名は、「Cubitus」(キュビタス)。
≪カジュアル・エレガンス≫を体現した新コレクションの誕生は、時計界における2024年一番のビッグニュースとなった。
話題の新作3点をご紹介しよう。
※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。
PART.1 Cubitus Ref.5821/1A新時代の
ステンレススチール・モデル
「私は長い間、本当にいつも、コレクションにスクエア型の時計を含めたいと思っていました」──パテック フィリップ社長、ティエリー・スターン氏の積年の願いが、ついに実現された。10月17日、ドイツ・ミュンヘンで発表された新コレクション「Cubitus」は、多くの時計関係者が意表を突かれたであろう、スクエアケースをまとって登場した。ファーストモデルのラインナップは、3モデル。うち2つは、ケースとブレスレットを統合した中3針+デイト表示で、1つはステンレススチールモデルである。これは、2021年に姿を消した「ノーチラス 5711/1A」の後継機なのかと、時計ファンのSNSがにわかにざわついた。
ティエリー社長曰く「Cubitusは、ノーチラスとアクアノートのいとこ」。なるほどそのデザインは、「ノーチラス」のDNAを多分に受け継いでいる。ケース両サイドの“耳”、水平エンボス加工ダイアル、ブレスレットの造作などなど。しかし実際に腕に載せると、スクエアのフォルムがより際立って、「ノーチラス」とは明らかに雰囲気が異なる。さらに言えば、4~10時方向で45mmという数字的にはボリューミーなケースサイズの印象も変わる。
大振りとしたことで、スクエアはより強調された。と同時にラグがブレスレットの中リンクと同じ形状の1本脚であるため、ケースの縦方向はむしろ小振りに感じられるのだ。8.3mmというケース厚もまた、大振りであることとの相対性でより薄い印象を強める。ケースを2ピース構造としたことで、この薄さがかなえられた。上下のピースを両サイドの耳で固定する構造は、初期の「ノーチラス」と同じだが、耳を直線状に改め、スクエアのフォルムはさらに強調された。
ブレスレットの付け根の幅は、「ノーチラス」より明らかに広く、バックルに向かってのテーパードは強くなっている。ケースは薄く、かつ幅広になったブレスレット、そして高級時計ならではのギリギリまで下げてムーブメントをケーシングして重心を下げたことが相まって、「Cubitus Ref.5821/1A」のフィット感は、抜群にいい。
エッジが効いたシャープなフォルムは、若々しくモダン。一方、四隅が柔らかな曲線で立ち落とされて、エレガントな印象も兼ね備えている。
パテック フィリップは、25年の時を経て、新たな時代にふさわしいコレクションを生み出した。
Cubitus (キュビタス)
日付表示 センターセコンド
ヘアラインとポリッシュの仕上げ分けも、「ノーチラス」からの継承。洗練されたオリーブグリーン・ソレイユのダイアルにより、スポーティでありながら品格ある腕元に。
■Ref.5821/1A ■45mm(4~10時方向)
■ステンレススチールケース&ブレスレット
■自動巻き ■3気圧防水
■価格要お問い合わせ
PART.2 Cubitus Ref.5821/1AR「Cubitus」ならではの
バイカラー
中3針+デイトの、もう一つのバリエーションは、ステンレススチールとローズゴールドのとのバイカラーである。現行の「ノーチラス」と「アクアノート」には存在せず、「Cubitus」ならではの個性が主張できる。
2ピース構造の下側をステンレススチール製としたことで、横顔もバイカラーになった。ダイアルのブルー・ソレイユは、いかにもパテック フィリップらしく、エレガントな雰囲気が漂う。
前出のフル・スチールモデル「5821/1A」も含め、ブレスレットのバックルには、ロック可能な長さ調整システムが備わり、ジャストフィットがかなう。
Cubitus (キュビタス)
日付表示 センターセコンド
ローズゴールドとブルー・ソレイユのダイヤルとの組み合わせは、実にスタイリッシュ。正面からでも、耳がバイカラーになっていると分かる。
■Ref.5821/1AR ■45mm(4~10時方向)
■ローズゴールド+ステンレススチールケース&ブレスレット
■自動巻き ■3気圧防水
■価格要お問い合わせ
PART.3 Cubitus Ref.5822Pパテック フィリップ初の
大型日付表示
四半世紀ぶりの新コレクションのために、新キャリバーも開発された。「Cubitus 5822P」に初搭載したCal.240 PS CI J LUは、瞬時送り式大型日付表示が、12時位置に備わる。そしてダイアル下部は、スモールセコンドと曜日表示+ムーンフェイズの各インダイヤルが、サイズ違いで配置されている。
大型日付表示の1と10の各位の表示ディスクは同じ平面上にあり、2つの窓の中で各数字がピッタリと同じ高さにあるのが、気持ちいい。これは、「インライン表示永久カレンダー 5236」で培った技術の継承である。
そして深夜0時が近づくと、デイト・曜日・ムーンフェイズが一斉にわずか18ミリ秒でカチリと瞬転する。これまでパテック フィリップは、複数の暦表示が備わる場合、それぞれを時間をおいて切り替えることでムーブメントの負荷を軽減してきた。メゾンとしては異例ともいえる瞬転式としたのは、各表示を送る中間車を減らすため。レバーに備わるバネに22時間かけて溜めた力で一斉送りする設計としたことで、ティエリー社長が「Cubitus」に望んだ薄型がかなえられた。このカレンダー機構に要した開発期間は、実に6年。6つの技術特許が出願されたという。新機構の開発を急がず、じっくりと練り上げるのがパテック フィリップらしさである。
広々としたダイアルは、大型日付表示のステージとしてまさに最適。コレクション唯一のストラップ仕様であり、ネイビーブルーのファブリック柄コンポジット製とすることで、より若々しい印象に装った。
Cubitus (キュビタス)
瞬時送り式大型日付、曜日、ムーンフェイズ表示
ダイアルは、ブルー・ソレイユ。パテック フィリップのプラチナモデルではお約束のダイヤモンドは、初のバゲットでベゼル側面6時位置にセットされている。
■Ref.5822P ■45mm(4~10時方向)
■プラチナケース ■コンポジットストラップ
■自動巻き ■3気圧防水
■価格要お問い合わせ
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