連載高級時計を巡る旅

第127回：ミニッツリピーターを旬なカラーで提案するブルガリの“YOSHIDA限定モデル”

#ブルガリ #YOSHIDA限定 #オクトフィニッシモ #オクトローマ #クロノグラフ #ミニッツリピーター #トゥールビヨン

イタリアのラグジュアリーメゾンでありながら、時計の優れた技術でも評価されるBVLGARI（ブルガリ）。
東京・渋谷区幡ヶ谷の名店YOSHIDA（ヨシダ）とのコラボレーションによる
“YOSHIDAスペシャルモデル”は、カラーリングを駆使することで、
ライフスタイルの中で最高峰の時計を楽しめるようになっており、大変な工夫を凝らしている。

Photos: Masahiro Okamura(CROSSOVER) / Text：Tetsuo Shinoda / Edit：Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive（グレッシブ）」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

ミニッツリピーターを日常使いする時計趣味の究極形

　巷で語られる「三大超複雑機構」の中でも、とりわけミニッツリピーターの価値が高いとされる。その理由は明確で、とにかく製作難度が高いからだ。

　ミニッツリピーター機構は、現在時刻を読みとる機構と、そのデータを鳴らす音数に変換する演算機構、そして実際に音を奏でる表示機構の三つを組み合わせるため、それだけでもパーツ点数はかなり増えてしまう。さらに奏でる音のテンポを調整するための「ガバナー」機構なども必要になるので、これを小さな腕時計ケースに収めるというのは極めて難易度が高いのだ。

　しかしブルガリは、それを“超薄型ウォッチ”で実現してしまった。

「オクトフィニッシモミニッツリピーター」に搭載するムーブメントCal. BVL362は、なんと厚さが3.12㎜しかない。これだけの複雑なメカニズムを薄くするだけでも驚異的だが、ケース全体でも厚みは6.85㎜しかない。これは今でも、世界最薄のミニッツリピーターウォッチである。

　しかもミニッツリピーター機構の生命線である音にも抜かりはない。

　極薄のケースでありながら、インデックスなどカットアウトして音をダイヤル側に響かせることで美しい音を奏でている。

　薄くて、美しく、機能的にも高いレベルの「オクトフィニッシモミニッツリピーター」は、2016年のデビュー以来、今も高い人気を誇っているが、"YOSHIDA限定モデル”では、ここに特別なダイヤルカラーを取り入れた。

　バーガンディ、グリーン、ブルーの3色は、どれもが深みのあるシックな色合い。外側に行くほど暗くなっていくグラデーション仕上げにすることで、高級感をさらに高めている。
バーガンディ、グリーンのモデルは、サンドブラスト加工を施し、ブルガリ独自のあえて暗めの色合いとマットな質感で落ち着いた印象を演出してくれる。ブルーのモデルは、全面ポリッシュ仕上げを施し、美しい輝きと存在感を放っている。
　実は、ブルガリとして初めてチタンの全面ポリッシュ仕上げに挑戦したモデルであり、すなわち商品化に至ったのも今回のYOSHIDA限定モデルが初となる。

　極めて複雑なミニッツリピーター機構は、特別なシーンで使うための格別な時計である。

　しかし「オクトフィニッシモミニッツリピーター」は、30ｍの防水性能も備え、薄くて軽いため、デイリーに楽しむことができる時計でもある。また時計好事家であれば、ケースサイドのスライダーを見ればミニッツリピーター機構だと看破できるが、このモデルの場合は、多面構造の立体的なケースデザインは崩さずに9時位置にミニッツリピーター機構の作動用ボタンを組み込んだ。

　リューズとのシンメトリーなデザインにもなっており、最高峰の複雑機構でありながらこれ見よがしなムードはない。これも日常使いには嬉しいポイントだ。さらにYOSHIDA限定モデルは、そこにカラーダイヤルという個性を加えることで、ファッションやライフスタイルとミックスさせて楽しめる最高に贅沢な時計となった。

　腕元が軽やかになってくる季節にふさわしいハイコンプリケーションウォッチといえるだろう。