連載高級時計を巡る旅

第49回：情熱と信頼の歴史が生んだ
ウブロ×YOSHIDAスペシャル5選

#ウブロ #クラシック・フュージョン #YOSHIDA限定 #クロノグラフ #ミニッツリピーター #トゥールビヨン #ビッグ・バン #スピリットオブビッグ・バン

　1920年、東京・渋谷区幡ヶ谷に創業し、2020年に100周年の節目を迎えたYOSHIDA（ヨシダ）。
　その長い歴史のなかでYOSHIDAは、徹底して高級路線を貫き、
確かなクオリティを持った時計だけを販売し続けるとともに、
顧客やブランドからの信頼をも築き上げてきた。
　こうした時計販売における情熱は、至高のラインナップを実現させるとともに、
同店のみでしか手にすることのできない特別限定モデル“YOSHIDAスペシャル”を生み出した。
　なかでも圧巻のクオリティを見せるのが、HUBLOT（ウブロ）とのコラボレーションだろう。
　両者の厚い信頼関係なくしては完成し得なかった、極上のタイムピースである。

Photos: Masahiro Okamura(CROSSOVER) / Art Direction: Takaaki Yagi(FORM::PROCESS) / Text: Yuzo Takeishi / Edit: Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive（グレッシブ）」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

外装素材の
クールな“融合”にも
目を奪われる
実用性の高い
複雑機構搭載モデル

　「ビッグ・バン」ならではの存在感たっぷりのプロポーションと、ダイアルを通してウブロの高い技術力を実感できる「ビッグ・バンウニコクロノグラフトゥールビヨンパワーリザーブ」。

　ウブロを代表する複雑機構であるワンプッシュクロノグラフとトゥールビヨンを組み合わせたモデルだが、通常、トゥールビヨンだけでも生産本数は限られるのに、ワンプッシュクロノグラフまで搭載している点に、ウブロの並外れた製造能力と、このモデルを実現させたYOSHIDAの情熱が感じられる。

　ケース素材にはサテン仕上げのチタニウムを、ベゼルにはサテン仕上げのブラックセラミックをそれぞれ採用してツートーンでまとめ上げるとともに、複雑機構が顔を覗かせるスケルトンダイアルと組み合わせることによって、クールなルックスを実現。ベゼルに用いられたお馴染みの6個のビスも、インダストリアルな雰囲気を強調するアクセントになっている。しかもパワーリザーブは約115時間（5日間）。

　複雑機構を搭載しながらも実用性を確保した、まさに“永遠の時計”を目指すYOSHIDAスペシャルらしいモデルだ。

ビッグ・バンウニコクロノグラフ
トゥールビヨンパワーリザーブ ■407.NM.0171.LR.YOS ■45mm ■チタニウムケース ■ブラックアリゲーター×ブラックラバーストラップ
■手巻きトゥールビヨン Cal.HUB6310搭載 ■3気圧(30m)防水 ■YOSHIDAスペシャル限定10本

ホワイトセラミック
ケースの質感と
ミニッツリピーターの
音色が奏でる
清廉のハーモニー

　「ビッグ・バントゥールビヨンクロノグラフカテドラルミニッツリピーターホワイトセラミック」はその名が示すとおり、トゥールビヨンとワンプッシュクロノグラフに加え、ミニッツリピーターをも搭載した超複雑機構モデル。

　しかも驚くべきは、ミニッツリピーターにおける技術力の高さ。通常、リピーターの作動時には調速機構の“ジーッ”という音が聞こえるのだが、ウブロが手がけるミニッツリピーターでは、ノイズともとれるこの音をカット。そのため、ミニッツリピーターの澄んだ音色のみを堪能できるというわけだ。

　加えてこのモデルで目を見張るのは、ホワイトセラミックのケースとベゼル。ストラップもこれに合わせたホワイトラバーを組み合わせているのだが、ケース両サイドの“耳”やダイアルの見返し、ストラップの縁をブラックにすることで、ピュアなホワイトがより際立つ仕上がりとなった。

　ウブロの技術力はもちろん、YOSHIDAの卓越したセンスも感じ取れる、まさに素材と音色が織りなす極上のハーモニーを堪能できる1本である。

ビッグ・バントゥールビヨンクロノグラフ
カテドラルミニッツリピーター
ホワイトセラミック

■404.HX.0120.RX.YOS ■45mm ■ホワイトセラミックケース ■ホワイト×ブラックラバーストラップ ■手巻きトゥールビヨン Cal.HUB8110搭載 ■3気圧(30m)防水 ■YOSHIDAスペシャル限定7本

マッシブな
プロポーションが印象的な
YOSHIDA創業100周年の
記念モデル

　これまで、数々のYOSHIDAスペシャルが製作されてきたが、そのなかでもより特別な意味を持っているのが「ビッグ・バンアラームリピーター GMT カーボン」。YOSHIDAの創業100周年を記念して製作された、まさにスペシャルなモデルだ。

　その特徴はアラーム機能と第2時間帯表示機能。アラームはゴング式を採用し、時刻はダイアル4-5時位置のインダイアルで表示。一方の第2時間帯は11-12時位置のインダイアルで確認でき、2時位置のプッシュボタンで1時間単位での時刻設定が行える仕組みだ。

　搭載するのは、ウブロの自社開発・製造ムーブメントのCal.HUB 5003。なんとこのモデルのために新設計されており、前述の機能に加えて約72時間のパワーリザーブも確保しているという。またこのモデルは、ケース素材に軽量かつ高強度なカーボンファイバーを採用し、精悍なルックスに仕上げている。

　外装から機構に至るまでテクノロジーを結集させたタイムピースは、信頼性の高い時計のみを扱ってきたYOSHIDAのスペシャルモデルにふさわしい完成度だ。

ビッグ・バンアラームリピーター
GMT カーボン

■403.QU.0120.VR.YOS ■45mm ■カーボンファイバーケース ■ブラックカーフ×ブラックラバーストラップ ■手巻き Cal.HUB5003搭載 ■3気圧(30m)防水 ■YOSHIDAスペシャルモデル限定100本

スペシャルモデルの
醍醐味を味わえる
フルスケルトンの
クラシック・フュージョン

　そもそも構成要素がシンプルな「クラシック・フュージョン」にトゥールビヨンを搭載し、そのうえケース素材にはサファイアクリスタルを採用。製造が極めて困難なこの組み合わせを実現した「クラシック・フュージョントゥールビヨンサファイア」は、“スペシャルモデル”の醍醐味を存分に感じられる1本だ。

　搭載するのは、2013年に発表された手巻きのCal.HUB 6016をベースに、パワーリザーブ表示をなくし、徹底したスケルトン加工を施したムーブメント。ここにサファイアクリスタルケースを組み合わせることで、メカニズムの存在感と透明感が際立つタイムピースとなった。

　スケルトンストラップを採用したことでフューチャリスティックな雰囲気に仕上げており、時計愛好家はもちろん、モダンな建築やデザインプロダクトを好む人々の琴線をも刺激するはずだ。

クラシック・フュージョン
トゥールビヨンサファイア

■505.JX.0120.RT.YOS18 ■45mm ■サファイアクリスタルケース ■スケルトンストラップ ■手巻きトゥールビヨン Cal.HUB6016搭載 ■3気圧(30ｍ)防水 ■YOSHIDAスペシャル限定28本

フロステッドカーボンの
表情が際立つ
オールブラック仕様の
スピリットオブ
ビッグ・バン

　2018年に「ビッグ・バン」で初めて取り入れられたフロステッドカーボンを「スピリットオブビッグ・バン」に採用し、クロノグラフを組み合わせた「スピリットオブビッグ・バンフロステッドカーボン」。

　アルプスに広がる花崗岩に着想を得たというフロステッドカーボンは、カーボンの中に3mm角のカーボンを入れて圧縮した素材。表面に現れる有機的なパターンが印象的だが、YOSHIDAスペシャルの特徴は、オールブラックでまとめたクールなデザインにある。

　インデックスや時分針はもちろん、スモールディスクやカレンダーまでもブラックに統一したことで、フロステッドカーボンの質感が際立つ仕上がり。オールブラックだが、42mmのケースサイズは手首でも存在感をしっかりと主張し、独特のパターンがユニークな表情を放ってくれる。

　ここに紹介した5モデルのYOSHIDAスペシャルはいずれも、ウブロとYOSHIDAの信頼があるからこそ実現したスペシャルな仕上がり。それは、YOSHIDAが創業以来持ち続けてきた情熱の結実であり、次の100年を刻む新たなYOSHIDAスペシャルが誕生するための布石である。