180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
その正規販売店であり、長年の販売実績を持つ東京・渋谷区幡ヶ谷の老舗時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
第42回は、ジャンルを問わずYOSHIDAが厳選したパテック フィリップの卓越性を体感できる6モデルを紹介します。
PART.1
Ref.5277カラトラバ・スタイルと
オフィサーケースの邂逅
昨年、ギヨシェ装飾による《クルー・ド・パリ》ベゼルと新型の手巻きムーブメントCal.30-255 PSを備えた新作Ref.6119が話題を集めた「カラトラバ」。今年2022年は、“ラウンド型の腕時計の原点”と呼ばれる傑作Ref.96が誕生してから90周年を迎える記念すべき1年であり、大きな注目が集まることが予想されます。
2013年に発表された自動巻きモデルのRef.5227は、一見すると非常にシンプルなドレスウォッチに見えますが、サファイヤクリスタル製のケースバックを保護するヒンジ付カバーを備えたオフィサーケースを採用しています。この設計をわずか9.24mmのケース厚でまとめてしまうところに、パテック フィリップのマニュファクチュールとしての実力が垣間見えます。
薄型のケースであることはドレスウォッチにとって必要不可欠な要素であり、カラトラバ・スタイルの特徴として挙げられます。
カラトラバ
■Ref.5227 ■39mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.324 S C) ■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.2
Ref.5396 & Ref.4948ドレスウォッチ然とした
複雑機構
パテック フィリップのコレクションの主軸であるコンプリケーテッド・ウォッチの中でも「年次カレンダー」は、1年に一度だけ日付調整をする実用性に優れた複雑機構として人気を集めています。
「年次カレンダー」のもうひとつの特徴は、独自のモジュール構造によって、メンズからレディスまで様々なバリエーションを展開している点にあります。Ref.5396とRef.4948を例に挙げてみましょう。
12時位置に月と曜日、6時位置にムーンフェイズと配したRef.5396は、カラトラバ・スタイルが色濃く反映された複雑機構搭載モデルです。ドレスウォッチ然としたスタイリングである一方、3針のモデルと比べるとケースに若干のボリュームがある分、カジュアルな服装でも着用することができます。
もう一方の女性用モデルのRef.4948は、18Kローズゴールドケースとバリ産ホワイト・マザーオブパール文字盤を組み合わせながら、ケース、リュウズ、ピンバックルに配した合計388個ものダイヤモンドがセッティングされた煌びやかな印象の一本です。それでいながら、複雑機構ならではの味わいを堪能できるのが、このモデルの大きな魅力だと言えます。
年次カレンダー
■Ref.5396 ■38.5mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.324 S QA LU 24H/303) ■30m防水 ■価格はお問い合わせください
年次カレンダー
■Ref.4948 ■38mm ■ダイヤ付き18Kローズゴールドケース(ケース、リュウズ、ピンバックルを含め、約2.92カラット) ■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.324 S QA LU) ■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.3
Ref.5235/50超個性派の
コンプリケーテッド・
ウォッチ
古きよき時代のパイロットウォッチの面影を残す「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」と同様、パテック フィリップ切っての個性的なコンプリケーションとして挙がるのが、レギュレーター・タイプの時刻表示を採用したRef.5235/50。
文字盤のデザインは据置式振り子時計から着想を得て製作され、グラファイトとエボニーブラックの2トーンカラーで、センターに分針、12時位置のサブダイヤルに時針、6時位置にスモールセコンド、さらには、曜日、月、日付を表示する3つの窓を配しています。こちらは2019年のバーゼルワールドで発表された18Kローズゴールドケースのモデルです。
パテック フィリップの腕時計を所有する喜びはもちろんのこと、針の動きを眺めることで自分だけの時間に浸れる贅沢な1本です。
年次カレンダー・レギュレーター・タイプ
■Ref.5235/50 ■40.5mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.31-260 REG QA) ■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.4
Ref.5370P伝統を受け継ぐ
クロノグラフの最高傑作
パテック フィリップというブランドの歴史を語る上でクロノグラフは最も重要な機構のひとつに数えられます。グランド・コンプリケーションに属するスプリット秒針クロノグラフは、その世界の頂点に立つモデルとして、多くの時計愛好家から羨望を集めるコレクターズアイテムの代表格です。
美しい青七宝文字盤を持つRef.5370Pは、伝統に即したゴールド植字ブレゲ数字を配したダイヤルデザインにより、夜光塗料を一切用いなくても計器にふさわしい完璧な視認性を誇り、ラグジュアリーなプラチナケースとの相性は抜群で美術工芸品さながらの輝きを放っています。
つまるところ、理想のクロノグラフを追い求め続けるパテック フィリップの矜持が詰まった現代の最高傑作は、流行を超越したタイムレスな魅力を宿しています。
スプリット秒針クロノグラフ
■Ref.5370P ■41mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き(Cal.CHR 29‑535 PS) ■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.5
Ref.6102先人の叡智が宿る
天文表示タイムピース
時に「小宇宙」に例えられる機械式時計の世界において、天文表示機能を持つタイムピースは先人の叡智の結晶であり、パテック フィリップの「セレスティアル」はその模範となるスタイルを体現しています。
2001年に発表された「スカイムーン・トゥールビヨン」に搭載された機構を参考にして開発された自動巻きムーブメントCal.240 LU CL Cが持つ天文表示機能は、夜空、星座、月を表す、それぞれが異なる速度で動く3枚のディスクで構成されており、北半球の夜空の星の動きと月の軌道、月の満ち欠けを表示します。スケルトンの長・短針は平均太陽時による分・時を表示し、サファイヤクリスタルの風防に描かれた楕円ではジュネーブ及び同じ経度の地点で見える天体部分を示します。
グランド・コンプリケーションの一角に数えられる至高の天文表示タイムピースは、パテック フィリップの歴史に一石を投じた記念碑的な1本として次世代まで受け継がれていくことでしょう。
セレスティアル
■Ref.6102P ■44mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.240 LU CL C) ■30m防水 ■価格はお問い合わせください
Store Info
取り扱い店舗
YOSHIDA 東京本店
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目13番5号 Google Map
営業時間 10:30~19:30
定休日 年中無休(年末年始を除く)
Tel. 03-3377-5401
Tel.03-3377-5401
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