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Column UP DATE: 2019. 09. 13

連載 パテック フィリップへの誘い

第11回:進化する永世定番「ノーチラス」

#パテック フィリップ #ノーチラス #レディス

第11回:進化する永世定番「ノーチラス」 第11回:進化する永世定番「ノーチラス」

 180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
 その正規販売店であり、世界を代表する時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
 第11回は、パテック フィリップの史上初の本格スポーツウォッチであり、
“カジュアル・エレガンス”を体現する定番「ノーチラス」の魅力を紐解きます。

※掲載商品の情報は変更される場合がございますのでご了承ください。

激動の1970年代と
クオーツショック

 アートやデザイン、エンターテインメントの世界において、前衛的な作品が後世で時代を超えた「クラシック」として評価されることはめずらしい話ではありません。大概そこには当時の社会情勢や時代思潮の影響が強く見受けられます。

 パテック フィリップに関して言えば、ドレスウォッチの原点と呼ばれる「カラトラバ」、パテック フィリップ初のスポーツウォッチ「ノーチラス」などが上記の例に当てはまる典型だと言えるでしょう。

 「ノーチラス」が誕生した1970年代は、激動の時代であり、あらゆる分野でこれまでの常識にとらわれない様式が数多く生まれました。

 その頃、時計の世界では、かつてない革命的な出来事が起こり、その余波は1980年代まで続きます。それこそが、1969年のSEIKO(セイコー)のクオーツ製腕時計「アストロン」の発売からはじまる、通称「クオーツショック」です。機械式時計よりも量産しやすく、しかも精度が高いクオーツムーブメントの台頭は、スイス時計産業そのものが低迷してしまうほどの衝撃を与え、多くの時計メーカーが未曾有の危機にさらされました。

 改めて見ると、そんな逆境の時代に生まれたデザインは生命力に溢れており、いまもなお語り継がれている「不朽の名作」が存在します。

極めて異例な
ステンレス製の腕時計
「ノーチラス」。

 「ラグジュアリーとは自動巻きゴールド・ウォッチのことであり、デイタイムに自動巻きパテック フィリップを着用することだった」

 パテック フィリップの現名誉会長フィリップ・スターン氏が述べた言葉の通り、かつて高級時計のスタンダードとは金無垢のドレスウォッチを指すものでしたが、1976年に誕生した「ノーチラス」はその常識を覆す、「ゴールドのケースよりも高価なステンレス製のスポーツウォッチ」という革新的なコンセプトによって開発されました。

  • 1976年に発表されたファーストモデルRef.3700/1A。
  • Ref.3700/1Aに搭載されていた自動巻きムーブメントCal.28-255C。

 「船窓」から着想を得たネーミングにふさわしい「ノーチラス」は、小ぶりかつ薄型であることが正義だとされていた当時では異例ともいうべき42mm径(リュウズまで含む)のケースを採用。ラディカルな印象だけにとどまらず、120Mまで潜水できる驚異的なパフォーマンスを兼ね備えていたことに当時の人々は驚きを隠せなかったと聞きます。

 開発を指揮したのは、言わずと知れた稀代の天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏。1972年にAUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)の「ロイヤルオーク」の開発で成功に導いていた彼は、「ノーチラス」の特徴的なディテールである平な八角形のベゼル、ケースとベゼルをネジ止めする両サイドのヒンジ部分、ケースと一体化したブレスレットなど自身のデザイン哲学や理念を注入しました。

 このような経緯を経て完成した「ノーチラス」は、1970年代の広告用のポスターに起用した「ウェットスーツにも、ディナー用のスーツにもよく似合う」という名コピーを体現する“革命的なスポーツウォッチ”として注目を集めたのです。

2枚いずれも1970年代に制作された「ノーチラス」のアドバタイジング。

時代と呼吸する
究極のスポーツウォッチ

 保守的だと言われている時計業界において、新しいデザインが受け入れられることは簡単ではありません。「ノーチラス」も例外ではなく、今日では世界中の誰もが知る爆発的なヒットに至るまで、それなりの時間が必要であったことは周知の事実でしょう。さらに「ノーチラス」は、誕生から40年以上の間、コンテンポラリーであることの重要性を片時も忘れずに進化し続けてきたことが特筆すべき点として挙がります。

 たとえば、ファーストモデルRef.3700/1Aは、実用が重視されるスポーツウォッチであるにも関わらず、2針を採用しています。これは言うなれば、「ステンレススチールの高級時計」という開発当時のコンセプトを追求するための最善のアプローチであり、「ノーチラス」を着用することではじめて感じ取れる時間の流れや体験に大きな価値を見出していたのです。

  • 2006年に登場したRef.5711/1Aは現代的な3針の仕様。
    Ref.3700/1Aと比べ、1mmほどケースが大きい。
  • 「ノーチラス」の40周年記念モデルとして2016年に限定発売されたRef.5976/1。

 ここでの進化に必要なことは、時代のニーズを汲み込んだ「最適化」にほかなりません。ある時は素材やサイズの新たなバリエーション、ある時はコンプリケーション、ある時はレディスモデルというように、「ノーチラス」のコレクションは数々の派生モデルを展開し続けることで「不動の定番」としての地位を確立した模範的な成功事例だと言えます。

 世界最大規模の時計見本市バーゼルワールド 2019で発表されたメンズ・レディスの新作も例外なく、パテック フィリップらしい革新のDNAが受け継がれていることは言うまでもありません。

CASE.1

無類の汎用性を誇る
Ref.5726/1Aの新色

 1976年登場のファーストモデルRef.3700/1Aの代から続く、「ノーチラス」の基本的なデザインコードを踏襲しつつ、パテック フィリップ屈指の有用的なコンプリケーション「年次カレンダー」を搭載するRef.5726/1Aのニューカラーが登場。こちらのブルー、ブラック・グラデーション文字盤の登場により、これまで展開していたブラックおよびホワイトの文字盤は2019年をもって廃盤となります。

  • Ref.5726/1A ノーチラス
  • Ref.5726/1A ノーチラス
  • Ref.5726/1A ノーチラス

ノーチラス

■Ref.5726/1A ■40.5mm(10-4時方向) ■ステンレスケース&ブレスレット
■自動巻き(Cal.324 S QA LU 24H/303)■120m防水 ■価格はお問い合わせください

商品詳細はこちら

CASE.2

メンズに勝るとも劣らない
レディスモデルの存在感

 パテック フィリップの定番キャリバーCal.324 S Cを搭載したレディス仕様の「ノーチラス」。ケース径が32mmのクオーツ搭載モデルより一回り大きな自動巻き専用の35.2mm径のケースを採用。ムーブメントのみならず、スポーツウォッチらしい機能性を備えているため、機械式時計ならではの醍醐味が楽しめます。豊富なバリエーションも魅力のひとつです。

7118/1 レディス・オートマティック ノーチラス

レディス・オートマティック ノーチラス

■7118/1 ■35. 2mm(10-4時方向) ■18Kローズゴールドケース&ブレスレット ■自動巻き(Cal.324 S C)■60m防水 ■価格はお問い合わせください

商品詳細はこちら

7118/1200A レディス・オートマティック ノーチラス

レディス・オートマティック ノーチラス

■7118/1200A ■35. 2mm(10-4時方向) ■ダイヤ付きステンレススチールケース&ブレスレット(約0.67カラット)■自動巻き(Cal.324 S C)■60m防水 ■価格はお問い合わせください

商品詳細はこちら

「ノーチラス」のレディス・オートマチィックの心臓部を支えるCal.324 S C。「ノーチラス」のレディス・オートマチィックの心臓部を支えるCal.324 S C。

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