180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
その正規販売店であり、世界を代表する時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
第14回は、「パテック フィリップの新定番」と呼ぶに値する注目のモデルを紹介します。
時代を超越した魅力を放つ、
パテック フィリップの
定番モデル
ファッションなどの分野と比べると、腕時計の商品としての寿命が長いことは明らかですが、新しいデザインが市場に浸透するまでに多くの時間を要します。さらに、例年多くの新作が発表される中で人気が定着し、定番化するモデルはごく一部に限られます。
それに対して、パテック フィリップの製品は、他の追随を許さない完成度を目指して開発を行っていることから、あらゆる点において“時代を超えたスタンダード”となるポテンシャルを秘めています。この点もまたパテック フィリップが長きにわたって時計界の頂点に君臨し続けられる理由のひとつなのです。
パテック フィリップのコレクションには、言わずと知れた永世定番「カラトラバ」、究極のステータスシンボルである「永久カレンダー搭載クロノグラフ」、最人気のスポーツウォッチ「ノーチラス」などの腕時計に明るい方なら誰もが知る傑作が数多く存在します。
この特集では、YOSHIDAが厳選した“パテック フィリップの新たな定番候補”を取り上げ、その魅力に触れていきます。
CASE.1
Ref. 5960/01
カジュアルを制する
年次カレンダー搭載
クロノグラフ
年に一度日付調整を必要とする、有用的なコンプリケーションの代表格である年次カレンダー機構。そこに、パテック フィリップのクラシックの象徴であるクロノグラフが重なることで、絶妙なバランスで整えられたRef. 5960/01は、まさに「新定番」と呼ぶにふさわしいモデルです。
一際新鮮なルックスに映る理由は、“現代的なデザインと素材使いの妙”にあります。年次カレンダー搭載モデルとしては初となる18Kホワイトゴールドケースと味のあるカーフストラップの組み合わせは独特のヴィンテージ感を漂わせています。カジュアルな服装のアクセントにもなる、次世代のクロノグラフを象徴する1本です。
年次カレンダー搭載フライバック・クロノグラフ
■Ref. 5960/01 ■40.5mm ■18Kホワイトゴールド ■カーフスキンストラップ
■自動巻き(Cal.CH 28?520 IRM QA 24H)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.2
Ref. 6006 & 5212A
伝統ある
カラトラバ・スタイルの
新解釈とは?
「カラトラバ」の伝説は、1932年に登場した“ラウンドウォッチの原型”と言われるRef.96からはじまりました。それから80年以上の月日が経ち、カラトラバ・スタイルは今日さらなる進化を遂げています。ここでは、その好例となる2つのモデルを取り上げます。
1本目に紹介するのは、パテック フィリップが誇る超薄型自動巻きムーブメントの40周年を記念して登場したRef.6006。人目を引く4時位置にスモールセコンドを配したグラフィカルな文字盤は、1991年に発売されたRef.5000、その後継機であるRef.6000へのオマージュであり、従来の「カラトラバ」と異なる魅力を放つ意匠だと言えるでしょう。
続いて2本目は、 バーゼルワールド2019で発表された話題作Ref.5212A「カラトラバ・ウィークリー・カレンダー」です。週番号の表示機能を備えることで新開発したムーブメントCal.26-330 S C J SEはカラトラバ・スタイルに新たな彩りを与えてました。その機能を司る手書き風のユニークな転写プリントが施された個性溢れる文字盤は、この時計を唯一無二の存在へと引き上げています。
カラトラバ
カラトラバ・ウィークリー・カレンダー
CASE.3
Ref.5524
アビエーションウォッチの
新境地を切り開くモデル
ベーシックなデザインだからといって一概に定番化するとは限らない。そんなスタイルを雄弁に物語るのが、古き良き時代のアビエーションウォッチへのオマージュから生まれた、「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」Ref.5524です。一見すると、「これがパテック フィリップの腕時計なのか?」 とさえ思う強烈なインパクトは、2015年の登場時にセンセーショナルな話題を集めました。
このようなレトロな顔立ちとは裏腹に、機能面が極めて現代的であることもこのモデルの大きな特徴だと言えるでしょう。視認性が高く、なおかつ操作が容易な「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」は、多くのジェットセッターにとって非常に有益なコンプリケーテッド・ウォッチです。その優れた機能とは、出発地と現地の時刻を表示するデュアル・タイムゾーン機構、出発地と現地の昼夜を窓表示、現地の日付を指針表示する優れたカレンダー表示などを指します。「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」を所有することで手にすることができる特別な時間はこの上ない贅沢だと言えるでしょう。
カラトラバ・パイロット・トラベルタイム
■Ref.5524 ■42mm ■18Kローズゴールドケース ■カーフスキンストラップ
■自動巻き(Cal.324 S C FUS)■60m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.4
Ref.5164
パテック フィリップの
次世代を担う
スポーツウォッチの最右翼
パテック フィリップのスポーツウォッチの双肩を担う「アクアノート」は、1997年の登場以来、今や飛ぶ鳥を落とす勢いを見せています。メンズ・レディスともに展開する「アクアノート」のコレクションにおいて一押しのモデルが、2011年に発表されたこちらの「アクアノート・トラベルタイム」です。ケース素材はステンレススチールと18Kローズゴールドの2種類で展開しています。
「アクアノート」のフラッグシップモデルRef.5167との違いは、出発地と現地の時刻を表示するデュアルタイムゾーン機構を備えていることです。窓表示では出発地と現地の昼夜を、指針表示で現地の日付を瞬時に確認することができます。この機能を表示するために考え抜かれたデザインは、数あるパテック フィリップの時計のなかでも極めてユニークな存在だと言えるでしょう。
アクアノート・トラベルタイム
アクアノート・トラベルタイム
CASE.5
Ref.5320
ヴィンテージテイストを醸し出す
永久カレンダーの新定番
月により異なる日数を忠実に再現する永久カレンダーは、クロノグラフと同様、懐中時計の時代からパテック フィリップが数々の傑作を手がけてきた複雑機構のひとつ。2017年に登場したRef. 5320は、その歴史に新たな1ページを刻んだ話題作です。
このモデルの特徴は、パテック フィリップ・ミュージアムに展示されている1940~50年代のタイムピースから着想を得て制作されたことが見て取れるヴィンテージテイストのスタイリングにあります。スタイルの核となるのは、手間暇を惜しまずに仕上げたクリームカラーのラック文字盤です。アラビアンインデックスや針の形状など、ディテールを統一することでヴィンテージ感をより一層強めています。
さらに特筆すべき点は、Ref. 5320を新定番の候補として挙げた理由にも繋がるディテールです。現代的なケースのサイズ感、3重の段差が施されたラグなどを加えることでモダンな1本に仕上がっています。
永久カレンダー
■Ref. 5320 ■40mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.324 S Q)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.6
Ref.5930
クロノグラフとの融合で
ワールドタイムの伝統を紡ぐ
一度に複数の国の時刻を表示できるワールドタイム機構は、パテック フィリップを代表する複雑機構のひとつとして知られています。その歴史は古く、1937年に世界ではじめてワールドタイムを腕時計に搭載した成功例まで遡ります。
1940年代のユニークピースからインスピレーションを得て2016年に製作されたRef.5930は、現行コレクションでは初となるワールドタイムとクロノグラフの融合を成功させた異彩を放つモデルです。豊かな表情のブルー文字盤にはギヨシェ装飾が施されており、パテック フィリップの腕時計全般に通じるこれらの手仕事はたとえ時代が移り変わろうとも色褪せることはありません。
ワールドタイム・クロノグラフ
■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.CH 28-520 HU)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
Store Info
取り扱い店舗
YOSHIDA 東京本店
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目13番5号 Google Map
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