UP DATE: 2019. 12. 20
連載 高級時計を巡る旅
第24回:夢を奏でるオーデマ ピゲのチャイム機構
#オーデマ ピゲ #ロイヤル オーク #ロイヤル オーク コンセプト #ロイヤル オーク オフショア #ジャパンブティック限定 #ミレネリー #ジュール オーデマ
錚々たるハイエンドウォッチが並ぶAUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)の
超複雑機構の頂点に君臨するミニッツリピーター&スーパーソヌリ。
その魅力を知り尽したYOSHIDA(ヨシダ)のセレクションによる注目の3モデルを徹底解剖する。
Photos: Masahiro Okamura(CROSSOVER) / Art Direction: Takaaki Yagi(FORM::PROCESS) / Edit&Text: Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive(グレッシブ)」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。
究極の価値を提供する
ミニッツリピーター
超複雑機構の中でも、特別な価値を持っているのがミニッツリピーターである。これはケースサイドのスライダーを操作すると内蔵するハンマーがゴングを打ち鳴らし、その音色で現在の時刻を知らせるというもの。美しい音色を数えながら、時刻を知るというこのロマンティックな機構を得意としているのが、オーデマ ピゲだ。彼らはミニッツリピーターを現代的に進化させた機構スーパーソヌリによって、聞く楽しみという新たな価値を提案している。
ミニッツリピーターの源流は、塔時計にあり、鐘を鳴らして時刻を知らせる機構を、小型化させて懐中時計に搭載した。その目的は暗闇で時刻を知るため。しかし夜も明るい現代社会では、その性能は不要だ。それでもなお、時計機構の頂点に位置するのは、楽器にも似たロマンがあるからである。
オーデマ ピゲのミニッツリピーター機構は、傘下の複雑機構工房オーデマ ピゲ ルノー エ パピが担当している。同社が作るミニッツリピータームーブメントは、ゴングの構造に特徴がある。ゴングは音を発する円型パーツとそれを支える支柱によって構成するが、オーデマ ピゲはこれを一体形成している。そのため叩いた際のエネルギーが分散せず、音がクリアになる。しかも一体型なので、耐衝撃性にも優れる。オーデマ ピゲのミニッツリピーターは、音色が美しいだけでなく、日常使いにも適しているのだ。
ミレネリー ミニッツリピーター
APエスケープメント
楕円形ケースの右側に時刻表示を収め、左側には独自開発のAPエスケープエントを搭載。独自性の高い機構を可視化する。ダイヤルはグラン・フー エナメル製である。
■26371OR.OO.D803CR.01 ■47×42mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き
普段使いもできる
音を奏でる
「ロイヤル オーク」
繊細なパーツで構成される極上の機構を日常使いするというのはとても贅沢なことだが、オーデマ ピゲではそれを可能にする時計を作っている。それが“ロイヤル オーク×スーパーソヌリ”という夢のような時計だ。
スーパーソヌリとは、2015年にコンセプトモデルとして発表され、その翌年に市販化された現代的なミニッツリピーター機構。そこで最も重視したのは、機構ではなく“音色”だった。2006年からローザンヌ工科大学と共同研究を開始し、過去のミニッツリピーターモデルの音をデジタル解析して理想の音を探した。さらには、楽器製造エンジニアの協力を仰ぐことで理想的な音色を奏でるための構造を探求した。しかも実用性を高めるために、20mの防水性能も兼ね備える。通常のミニッツリピーター機構は、時計内部から外へと音を出すために、非防水であることが多い。そこでオーデマ ピゲの場合は、防水性を保ちつつ、美しい音色を奏でたいと考えた。そこで導き出されたのが、ゴングを反響板に取り付ける構造だった。ハンマーがゴンクを打つと、その振動が反響板に伝わり、音が美しく広がるのだ。
ロイヤル オーク
コンセプト スーパーソヌリ トゥールビヨン
未来的なデザインと最新機構を融合させる最高峰モデル。
スーパーソヌリ機構とトゥールビヨン機構を搭載した、
ウォッチメイキングの究極形。ジャパンブティック限定モデル。
■26577ST.OO.D002CA.01 ■44mm ■ステンレススティールケース ■ラバーストラップ
■手巻き ■20m防水 ■ジャパンブティック限定
スーパーソヌリの構造は、アコースティックギターと同じである。ゴングがギターの弦で、反響板がギターのボディとなり、美しい音色が大きく響くのだ。しかしそれでも、音質を追求することは極めて難しい。それは耳という器官がとても繊細で優秀であるために、リズムや音のちょっとしたズレを聞き分けてしまうから。さらには人間の音では感知できない音さえも、脳が補完してしまう為、心地よい音色に調律するのが難しいのだ。
ちなみに、スーパーソヌリを組み立てることができる時計師は15名いるそうだが、音の感じ方には差があるので、調律は誰にでもできることではない。音解析ソフトによって調整はしやすくなったが、最終チェックは絶対音感を持った時計師が行う。どれだけデジタル技術が進化しても、“心地よさ”を聞き分けるのは、人間の耳しかないのだ。
その心地よさを作りだす反響板の素材は、教会の鐘に使われるブロンズにチタンを加えた合金を使う。雑音を抑えるために、ガバナー(ハンマーを規則的に動かすため機構)の形状も従来モデルとは異なるが、メカニズムや素材はあくまでもクラシック。そのため十数年後に修理不能になることもない。価値を永続させるのも、オーデマ ピゲにとっては大切なことなのだ。
ロイヤル オーク
ミニッツリピーター スーパーソヌリ
定番ロイヤル オーク×スーパーソヌリ。ノンデイトのスマートなルックスでありながら、超絶機構を搭載する絶妙なバランスは見事。希少性が高いジャパンブティック限定モデル。
■26591TI.OO.1252TI.01 ■42mm ■チタンケース&ブレスレット ■手巻き ■20m防水 ■ジャパンブティック限定20本
ダイナミズムに満ちた
オーデマ ピゲの超複雑機構5選
「複雑機構のパイオニア」としての呼び声高いオーデマ ピゲのコレクションには、ミニッツリピーターやスーパーソヌリ以外にも究極を体現する超複雑機構が存在する。伝統と革新から生まれる究極の時計製造技術は、ハイジュエリーに勝るとも劣らないステータス性を備えている。
ジュール オーデマ
トゥールビヨン クロノグラフ
芸術的なオープンワークを施したハイコンプリケーション。見返し部分やストラップには、「トスカーニブルー」と命名した美しいブルーを取り入れている。
■26353PT.OO.D028CR.01 ■43mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水
ジュール オーデマ
トゥールビヨン クロノグラフ
大胆なオープンワークをブラックで締める精悍なハイコンプリケーション。細部までじっくりと眺めたくなる。
■26346BC.OO.D002CR.02 ■41mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水
ロイヤル オーク
オフショア トゥールビヨン クロノグラフ
直線的なトラス構造によって、モダンなオープンワークウォッチが完成。オフショアのダイナミックなケースデザインとも好バランス。ケースはタフで軽くて美しいブラックセラミックを採用。
■26407CE.OO.A030CA.01 ■44mm ■ブラックセラミックケース ■ラバーストラップ ■手巻き ■100m防水 ■ジャパンブティック限定20本
ロイヤル オーク
オフショア トゥールビヨン クロノグラフ
ブラック仕上げのモダンなオープンワークムーブメントに、色気のあるイエローゴールドケースを組み合わせた。腕元を飾る強烈個性のハイコンプリケーション。
■26407BA.OO.A002CA.01 ■44mm ■18Kイエローゴールドケース ■ラバーストラップ ■手巻き ■100m防水
ロイヤル オーク
オフショア トゥールビヨン クロノグラフ オープンワーク
通常ならジュール オーデマに用いられる優雅なオープンワークムーブメントを、タフなオフショアケースと組み合わせたハイコンプリケーション。カタールの正規代理店アリ・ビン・アリのために作られた希少品。
■26348IO.OO.A002CA.01 ■44mm ■チタンケース ■ラバーストラップ ■手巻き ■100m防水
Store Info
取り扱い店舗
YOSHIDA 東京本店
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営業時間 10:30~19:30
定休日 年中無休(年末年始を除く)
Tel. 03-3377-5401
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〒542-0085
大阪府大阪市中央区心斎橋筋2丁目6番9号 Google Map
営業時間 10:30~19:30
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Tel. 06-6214-5401
Tel.06-6214-5401
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