180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
その正規販売店であり、世界を代表する時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
第21回は、時代の一歩先を読むパテック フィリップが提案する「実用時計」の魅力に迫ります。
革新性に満ちた
パテック フィリップの
実用時計
いまや高級時計の市場では当たり前のようにスポーツウォッチが並んでいますが、かつてはイコールの存在ではなく、多くの人々にとって高級時計のスタンダードとは金無垢のドレスウォッチであることが常識でした。
パテック フィリップはその定石を覆したパイオニア的なメーカーのひとつであり、1976年に登場したブランド初のステンレス製のスポーツウォッチ「ノーチラス」が後世に与えた影響は計り知れません。
この当時、クオーツショックの影響下で壊滅的な打撃を受けたスイス時計業界では、次の時代を担う革新的な様式が求められていました。すなわち、「ウェットスーツにも、ディナー用のスーツにもよく似合う」というキャッチコピーそのままのスタイルを備えていた「ノーチラス」の誕生は、新たな時代の幕開けを予感させる十分なインパクトを残しました。
時代を読む嗅覚に長けたパテック フィリップの提案は、その後も次々とヒットを飛ばし、実用時計の分野においても大きな成功を収めたことは周知の事実でしょう。
次項からパテック フィリップが築き上げた実用時計の文脈に沿う選りすぐりのメンズ・レディスウォッチ7本を紹介していきます。
PART.1パテック フィリップ
屈指の
実用時計
「年次カレンダー」
「ノーチラス」と並び、パテック フィリップの実用時計を語る上で外せないのが、“有用なコンプリケーション”と評される「年次カレンダー」です。このコレクションが発表されたのは1996年。デビューするや否や同年にスイスの時計専門誌『モルトン・パッション』が主宰する「ウォッチ・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞しました。
1990年代の時計業界はコンプリケーテッド・ウォッチのリバイバルブームの最中でしたが、これらの時計は一部のコレクター向けのアイテムであったことから供給過剰のリスクを抱えている状況が続いていました。そこで、パテック フィリップは顧客層を広げるため、「年次カレンダー」の開発に着手し、実用時計の分野における絶対的な地位を勝ち得たのです。
「年次カレンダー」の主な特徴は、1年に1回だけ3月1日のみ調整を必要とする優れたカレンダー表示と、モジュール構造から生まれる多彩なデザインのバリエーションにあります。発表から20年以上の歳月を得て、「年次カレンダー」はパテック フィリップのベストセラーのひとつとして、その存在感を増々高めています。
年次カレンダー
バーインデックスとアラビア数字を配した視認性の高い文字盤を持つRef.5146は、
「年次カレンダー」の現行コレクションで最もスタンダードな部類に入るデザイン。
小ぶりすぎない39mm径のケースサイズもロングセラーとして支持され続けている理由に挙がります。
■Ref.5146 ■39mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.324 S IRM QA LU)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
年次カレンダー搭載クロノグラフ
2015年の登場以来、安定した人気を誇るRef.5905P。中でもプラチナケースとブラック・ソレイユ文字盤を採用したこのモデルは格別のエレガンスを宿しています。服装やシーンを選ばない絶妙なスタイリングもまた「年次カレンダー」ならではの魅力だと言えます。
■Ref.5905P ■42mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.CH 28-520 QA 24H)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.2カラトラバ・スタイル
と
ユニークな
カレンダー機能との
出合い
2019年に発表された新作の中でもRef.5212A「カラトラバ・ウィークリー・カレンダー」は、パテック フィリップにおける“コンプリケーションの新境地”とも呼ぶべき実用時計です。
大きな話題を集めた理由として挙がるのは、このモデルために開発された新しい自動巻きムーブメントCal.26-330 S C J SEによって実現した週番号を表示する新しいカレンダー機構にあります。先端を赤で塗装した2つのハンマー型の指針は、ひとつは曜日を、もうひとつは週番号を読み取ります。
Ref.5212Aはスタイリングの面においても高い評価を得ています。1955年に創作されたRef.2512/1からインスピレーションを得たデザインに、ステンレススチール製のケース、転写による手書き書体が描かれた文字盤、ヴィンテージ調のカーフスキンストラップなどを重ねることでカラトラバ・スタイルに進化を促してます。
カラトラバ・ウィークリー・カレンダー
ヴィンテージスタイルを踏襲しつつも復刻モデルとは異なる提案が光る、パテック フィリップらしい1本。
機能・デザイン・素材使いにいたるまで、あらゆる面で普段使いに適したコンプリケーテッド・ウォッチの代表格です。
■Ref.5212A ■40mm ■ステンレススチールケース ■カーフストラップ
■自動巻き(Cal.26-330 S C J SE)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.3非日常を日常にする
グランド・
コンプリケーション
世界中の時計愛好家やセレブリティから羨望の眼差しを集めるパテック フィリップのグランド・コンプリケーションの中には、普段使いに適応できるモデルが多数展開しています。
その象徴的なコレクションである永久カレンダー搭載クロノグラフは、「カラトラバ」に負けず劣らず、パテック フィリップの伝統を最も色濃く受け継ぐ最重要コレクションのひとつ。一部のヴィンテージウォッチは、オークションで驚くほどの高値で落札されていたりと、人気は衰えることを知りません。無類の美しさのみならず、日常にも馴染むデザインや優れた実用性は普遍的な価値を生み出しています。
一方で2019年に発表されたRef.5520P「アラーム・トラベルタイム」のような最新鋭のモデルも見逃せません。超複雑機構の最上位に位置するチャイムウォッチとデュアルタイム機構、古典的なパイロットスタイルの融合は現代の技術があってこそ可能であり、先人たちが描いていた未来予想図の先を行くコンプリケーテッド・ウォッチだと言えるでしょう。
永久カレンダー搭載クロノグラフ
グランド・コンプリケーションの代名詞でもある永久カレンダー搭載クロノグラフ。このコレクションをよりカジュアルに着用するとしたら一押しはブレスレットタイプのRef.5270/1。ラグジュアリーを極めたゴールドウォッチの決定版です。
■Ref.5270/1 ■41mm ■18Kローズゴールドケース&ブレスレット ■手巻き(Cal.CH 29‑535 PS Q)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
アラーム・トラベルタイム
誰もが予想だにしなかったデュアルタイム機構と24時間表示アラームを兼ね備えたアビエーションウォッチ。控えめな外観に通じる気品あるアラーム音を楽しめるのはオーナーだけの特権であることは言うまでもありません。
■Ref.5520P ■42.2mm ■プラチナケース ■カーフストラップ ■自動巻き(Cal. AL 30‑660 S C FUS)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.4現代を生きる
女性のための
実用時計の
スタンダード
1868年に製作したスイスでは初となるブレスレット型の腕時計、あるいは1916年に発表されたブランド史上初のチャイム機構を搭載した腕時計をはじめに、パテック フィリップはレディスの分野においても記念碑的なタイムピースを手がけることで常に時代をリードしています。
コレクションの領域は年々拡大され、実用時計においてもリーディングブランドとしての地位を確立しています。1999年に発表された「Twenty~4®」は、「デイタイムの服装もイブニングドレスも似合う」というコンセプトから生まれたデザインが多くの支持を集めているコレクションです。2018年には、同シリーズでは初の自動巻きムーブメントとラウンドケースを採用した新作がラインナップに加わりました。
同様に、人気モデル「ノーチラス」の多彩なバリエーションからも分かるように、スポーツウォッチの充実も注目に値します。パテック フィリップのエレガンスを体現する究極のスタイリングは日常のあらゆるシーンで腕元に輝きを与えてくれます。
Twenty~4 オートマチック
ステンレススチール仕様の「Twenty~4 オートマティック」のスタンダードモデルがこちら。ブルー・ソレイユ文字盤との組み合わせによって、日常のあらゆるシーンを彩るスタイルを演出しています。
■Ref.7300/1200A ■36mm ■ダイヤ付きステンレススチールケース&ブレスレット(約0.77カラット) ■自動巻き(Cal.324 S C)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
レディス・オートマチック・ノーチラス
全面ゴールドで統一することで「ノーチラス」のラグジュアリーな側面を強調した1本。自動巻きムーブメント搭載モデルらしいボリューム感が腕元のアクセントに。
■Ref.7118/1 ■35.2mm(10-4時方向) ■18Kローズゴールドケース&ブレスレット ■自動巻き(Cal.324 S C)■60m防水 ■価格はお問い合わせください
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