180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
その正規販売店であり、世界を代表する時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
第24回は、目を楽しませてくれる時計の「色彩」に着目し、スタイリングの真髄に迫ります。
時代を創る
パテック フィリップの色彩
色は時代背景や流行を映し出す鏡であり、選び方ひとつで製品の印象、性格を決定することができるため、腕時計のデザインにおいても最重要ファクターのひとつであることに異論を挟む余地はないでしょう。
懐中時計の時代に遡ると、現代ほどの多様性が求められていなかったこと、機械式時計が特別な階級、あるいは富裕層ために作られてたことから、イエローゴールドのケースに白系の文字盤という組み合わせが高級時計の主流でした。
時代が移り、腕時計の需要と防水性能の向上は、デザインに大きな変化をもたらします。この次代の主役は、ステンレス製の実用時計。白系の文字盤一辺倒だった時代と打って変わって、外装技術の発展とともにバリエーションが広がります。
パテック フィリップを例に取ってみましょう。その歴史を辿れば分かるように、あらゆる分野において、機械式時計の発展を担ってきたブランドだけあって、当然色使いの提案においても時代をリードしてきた実績があります。
今回の特集では、注目モデルとともに“卓越した色彩のセンス”について解説します。
PART.1抜群に合わせやすい
ブラウンダイヤルの
提案
近年、トレンドを超え、高級時計の世界で定着しつつある“カラーダイヤル”。このスタイルは今にはじまったものでなく、1960~1970年代にかけて本格的に登場し、その当時、最も流行していたのはブルーの文字盤でした。
ここで一押しするブラウン文字盤の提案は、やわらかな印象を演出するローズゴールドのケースがあってこそ成り立つものです。
この組み合わせはカジュアルでこそ真価を発揮し、肌なじみもよいので、ゴールドウォッチの入門、普段使いにも最適なスタイルだと言えます。
いくつかある選択肢の中から、年次カレンダー搭載クロノグラフ Ref.5905とアクアノート・トラベルタイム Ref.5164を紹介します。
年次カレンダー搭載クロノグラフ
2019年の発表以来、すでに人気モデルの仲間入りを果たしたRef.5905のローズゴールドケース。
グラデーションを施したブラウン・ソレイユ文字盤との相性は完璧です。
■Ref.5905 ■42mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.CH 28-520 QA 24H)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
アクアノート・トラベルタイム
同じブラウンの文字盤でもマットな質感であるため、ブラウン・ソレイユ文字盤とは趣がまったく異なる1本。機能も優れているため、普段使いにも最適です。
■Ref.5164 ■40.8mm(10-4時方向) ■18Kローズゴールドケース ■ラバーストラップ ■自動巻き(Cal.324 S C FUS)■120m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.2圧倒的な差がつく
カーキグリーン
近頃、グリーンをベースカラーにした高級時計を見掛ける機会が増えていますが、パテック フィリップはそれよりも一足先に提案を行っていたブランドのひとつです。
“カジュアル・シック”を体現するスポーツウォッチ「アクアノート」に属する、“ジャンボ”の呼称で親しまれているRef.5168の2019年に登場したニューモデルは、カーキーグリーンを採用。
誰も目にも新鮮に映るスタイリングは反響を呼び、後続に続きブランドに大きな影響を与えています。
アクアノート
パテック フィリップが擁するスポーツウォッチでも異彩を放つRef.5168のカーキーグリーン。
3針モデルのRef.5167と比べると、一回りケースサイズが大きい。
■Ref.5168 ■42.2mm(10-4時方向) ■18Kホワイトゴールドケース ■ラバーストラップ
■自動巻き(Cal.324 S C)■120m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.3エレガンスを象徴する
ブルーダイヤル
パテック フィリップのコレクション全体を通じて、非常に多くのモデルで採用されているブルー文字盤。
歴代の傑作の中でも記念碑的な1本が、1976年に発表された「ノーチラス」のファーストモデルRef.3700/1A。ステンレス製のスポーツウォッチにエレガンスを与えるために、ブルーの文字盤は欠かせないエッセンスであり、このスタイリングが後世にもたらした影響力は計り知れません。
控えめでありつつも、主張が感じられるブルー文字盤は、今やパテック フィリップにおける定番的なスタイルのひとつだと言っても過言ではありません。
年次カレンダー
年次カレンダー搭載モデルの多くにブルー文字盤が採用されているが、それぞれの最適なアレンジが見受けられます。こちらの1本では深みのあるグラデーションの効果によってシックな雰囲気を高めています。
■Ref.5205 ■40mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.26-330 S QA LU 24H)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
ワールドタイム・クロノグラフ
現行コレクションとしては唯一のワールドタイムとクロノグラフの融合を果たしたRef.5930。手仕上げのギヨシェ装飾との組み合わせにより、ブルー・オパーリン文字盤を特別な雰囲気に仕上げています。
■Ref.5930 ■39.5mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.CH 28-520 HU)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.4ドレスウォッチに
特別感を与える
ブラックダイヤル
今では当たり前のように見掛ける定番のブラック文字盤は、遠い昔、視認性の問題などから流通数が極めて少ない時代がありました。
とりわけドレスウォッチの場合、王道のホワイトやシルバーの文字盤と比較すると、ブラックの方が圧倒的にモダンに映ります。
「カラトラバ」のRef.5227は、上記の条件を満たす3針モデル。ラック・ブラックの文字盤は実寸以上の存在感を醸し出しています。
カラトラバ
Ref.5227は現行の「カラトラバ」で数少ないブラック文字盤を採用したモデルのひとつ。無駄を一切省いたデザインだからこそ、黒が持つ力強さが際立つのでしょう。
■Ref.5227 ■39mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.324 S C)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
PART.5イエローゴールド
ケースが魅せる
王道の存在感
懐中時計の時代から受け継がれる高級時計の王道にふさわしい色使い。
その中心に立つイエローゴールドのケースは、パテック フィリップにとっても特別な意味を持つ存在です。
現行コレクションでこの文脈を受け継ぐモデルはいずれも、タイムレスなデザインであることに加え、イエローゴールドとのコントラストを押さえた美しい色調の文字盤を持ち合わせているのが特徴です。
カラトラバ
伝説の名機Ref.96の伝統を引き継ぐ定番ドレスウォッチ。イエローゴールドケース×オパーリン文字盤がこの上なく似合うスタイリングに注目。
■Ref.5196 ■37mm ■18Kイエローゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き(Cal.215 PS)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
永久カレンダー
グランド・コンプリケーションの定番であり、“モダンクラシック”を体現したRef.5327のイエローケース。アイボリーのラック塗装文字盤を備えた1本は、ドレスウォッチの延長として着用できるパテック フィリップを顔として親しまれています。
■Ref.5327 ■39mm ■18Kイエローゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き(Cal.240 Q)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
Store Info
取り扱い店舗
YOSHIDA 東京本店
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目13番5号 Google Map
営業時間 10:30~19:30
定休日 年中無休(年末年始を除く)
Tel. 03-3377-5401
Tel.03-3377-5401
Back Number
バックナンバー
-
UP DATE: 2024. 09. 06 NEW
連載 高級時計を巡る旅
第140回:実用美を極めたパテック フィリップの複雑時計とレディス・コレクション
-
UP DATE: 2024. 08. 22
連載 高級時計を巡る旅
第139回:世界最高峰と称される、パテック フィリップのグランド・コンプリケーション
-
UP DATE: 2024. 08. 09
連載 高級時計を巡る旅
第138回:スポーティエレガンスを体現する、
パルミジャーニ・フルリエの2024年最新作「トンダ PF スポーツ クロノグラフ」 -
UP DATE: 2024. 07. 19
連載 高級時計を巡る旅
第137回:オーデマ ピゲの2024年最新作、「ロイヤル オーク」のハイジュエリーウォッチとは?
-
UP DATE: 2024. 07. 04
連載 高級時計を巡る旅
第136回:複雑機構と独自のデザインで魅せる、ウブロの最新作
-
UP DATE: 2024. 07. 03
連載 高級時計を巡る旅
第135回:2024年の注目時計、ゼニス最新作に迫る
-
UP DATE: 2024. 06. 20
連載 高級時計を巡る旅
第134回:パテック フィリップ2024年最新作、話題の6モデル
-
UP DATE: 2024. 05. 31
連載 高級時計を巡る旅
第133回:新たな装いを手にした
ウブロのクラシック・フュージョン! -
UP DATE: 2024. 05. 30
連載 高級時計を巡る旅
第132回:2024年春、時計界の頂点に君臨するパテック フィリップが発表した5つの新作
-
UP DATE: 2024. 05. 29
連載 パテック フィリップへの誘い
第60回:4つのテーマから読み解く注目モデル8選!
-
UP DATE: 2024. 05. 14
連載 高級時計を巡る旅
第131回:ブルガリとYOSHIDAの力作、限定チャイミングウォッチ
-
UP DATE: 2024. 04. 29
連載 高級時計を巡る旅
第130回:新商業施設「ハラカド」の新ランドマーク 「ゼニス ブティック表参道」がオープン!
-
UP DATE: 2024. 04. 01
連載 高級時計を巡る旅
第129回:「グルーベル・フォルセイ ブティック 銀座」がオープン
-
UP DATE: 2024. 03. 29
連載 高級時計を巡る旅
第128回:チタニウムケースを極めたウブロのトゥールビヨンウォッチ
-
UP DATE: 2024. 03. 29
連載 高級時計を巡る旅
第127回:ミニッツリピーターを旬なカラーで提案するブルガリの“YOSHIDA限定モデル”
-
UP DATE: 2024. 02. 29
連載 高級時計を巡る旅
第126回:パルミジャーニ・フルリエによるスポーツウォッチの新提案
-
UP DATE: 2024. 02. 28
連載 高級時計を巡る旅
第125回:腕元に華やぎを添える「オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT YOSHIDA先行販売モデル」
-
UP DATE: 2024. 02. 27
連載 パテック フィリップへの誘い
第59回:グランド・コンプリケーションの真髄が宿る注目作7選