UP DATE: 2019. 09. 30
連載 パテック フィリップへの誘い
第12回:クロノグラフの新たなマイルストーン5選
180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
その正規販売店であり、世界を代表する時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
第12回は、パテック フィリップの歴史の一旦を担うクロノグラフの魅力とともに、卓説した時計製造の真髄に迫ります。
パテック フィリップが
「クロノグラフの巨匠」
である理由
19世紀からクロノグラフ搭載の懐中時計を製作していたパテック フィリップにとって、クロノグラフは時計製造の根幹を司る重要なテーマのひとつです。1878年、パリ万国博覧会に出品したクロノグラフ搭載タイムピースが金賞受賞、1902年スプリット秒針クロノグラフ機構で特許取得するなど、数々の成功を収め、その伝統は現代まで引き継がれています。
パテック フィリップがクロノグラフの分野で圧倒的な名声を手にしている背景には、主に2つの理由が挙がります。
ひとつは、質・量ともに充実した「現行コレクションのラインナップ」です。普段使いに適したモダンな自動巻きをはじめ、トラディショナルな永久カレンダー搭載モデルまで揃う豊富な選択肢の中から自分らしいクロノグラフを探す喜びを見い出せるのは、至高のブランドであるパテック フィリップならではの醍醐味だと言えるでしょう。
もうひとつは、富の象徴である世界的なオークションハウス、あるいはヴィンテージ市場での評価からもわかる「優れた資産価値」です。機械式時計をアートピースの域とまで昇華させるという大役を果たしたパテック フィリップの功績は計り知れないものがあり、クロノグラフはその中心に立つ極めて重要なアイテムなのです。
パテック フィリップが
提案する
クロノグラフの
モダンクラシック
1860年代から脈々と続く、パテック フィリップとクロノグラフの蜜月。現行コレクションの数々には、歴史の語り部であると同時に、時計製造の最先端に立つパテック フィリップの技術が凝縮されています。
バーゼルワールド2019で発表された新作を含む、5本のクロノグラフからパテック フィリップの真髄を紐解きます。
CASE.1
永遠のステータスシンボル
Ref.5270の魅力
時計史にその名を刻む「永久カレンダー搭載クロノグラフ」は、世界中の時計愛好家の垂涎の的であり、パテック フィリップを象徴するアイテムのひとつです。1941年の登場以来、根幹的なデザインはそのままにマイナーチェンジを繰り返しながら進化し続けています。そして、数あるグランド・コンプリケーション中でも非常に人気が高いことで知られています。
現行コレクションのRef.5270Pは、歴代の「永久カレンダー搭載クロノグラフ」の中でも記念碑的な存在となった前作のRef.5970から多くのエッセンスが取り入れられた後続機にあたります。
その最たる例が、デザイン及びケースサイズでしょう。歴代の「永久カレンダー搭載クロノグラフ」の中でも最も大きなサイズにあたる41mm径のケースは、このモデルが持つ美しいプロポーションを表現する上で欠かせません。
2018年に登場したこちらの1本は、Ref.5270では初のプラチナケースを採用。絶妙な色合いと質感を持つゴールド・オパーリン文字盤が個性を引き立たせています。
永久カレンダー搭載クロノグラフ
■Ref.5270P ■41mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ
■手巻き(Cal.CH 29‑535 PS Q)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.2
Ref.5172に受け継がれる
手巻きクロノグラフの伝統
昨今の時計界の大きなトレンドのひとつとして、各社がこぞって提案しているのが、復刻モデルやヴィンテージスタイル。古典を知り尽くしているパテック フィリップのアプローチは一味違います。
その好例が、バーセルワールド 2019で発表された最新作Ref.5172です。クラシックの極みと呼ぶにふさわしいアラビアンインデックス☓2カウンターのクロノグラフでありながら、文字盤とストラップを鮮やかなブルーで統一することによって、コンテンポラリーな雰囲気に仕上げています。
特筆すべき点は、クロノグラフ専用ムーブメントCal.CH 29-535 PSの存在です。自動巻きのムーブメントに比べるとローターの分だけ薄くなる手巻きのムーブメントは、クラシカルなデザインを引き立たす役割を果たします。
このほかにも、3重の段差を施したヴィンテージ・スタイルのラグ、ギヨシェ装飾を施したクロノグラフ・プッシュボタンなど注目のディテールが満載です。
クロノグラフ
■Ref.5172■41mm ■18Kホワイトゴールドケース ■カーフストラップ
■手巻き(Cal.CH 29-535 PS)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.3
レトロモダンを体現する
クロノグラフRef.5960/01
モダンであると同時にどこかレトロチックな雰囲気を備えた年次カレンダー搭載フライバック・クロノグラフRef.5960/01。
こちらのモデルは、シリーズ初となるホワイトゴールド製ケースを採用し、ヴィンテージライクなレザーストラップとの組み合わせで独特の雰囲気に。そのため、ベゼルにバゲットダイヤモンドを施したRef.5961とはまるで印象が異なります。
機能や実用面にも目を向けてみましょう。パテック フィリップ屈指の有用的なコンプリケーションと言われる年次カレンダー機構は、1年に一度、3月1日に調整を行うことで日付、曜日、月名を表示します。自動巻きであることからも普段使いに最適な1本だと言えるでしょう。
年次カレンダー搭載フライバック・クロノグラフ
CASE.4
Ref.5905が魅せる
クロノグラフの新境地
年次カレンダー搭載フライバック・クロノグラフRef.5905の新たな仲間として、先日行われたバーセルワールド 2019でローズゴールド製ケースが登場。ブラウン・ソレイユの文字盤は、外周に向かって色味が深まるブラック・グラデーションの効果とともに、ローズゴールドのやわらかな雰囲気と絶妙にマッチします。
パテック フィリップらしい外装の仕上げがクロノグラフとしての美しさを際立たせていることも見逃せないポイントです。時針・分針の3面ファセットを施した夜光付ドフィーヌ型指針、ローズゴールドの植字インデックス、5分間隔の夜光付ドットのきめ細かさは目を見張るものがあります。
心臓部を守る自動巻きムーブメントのCH 28-520 QA 24Hは、年次カレンダーとクロノグラフの2つの機能を兼ね備えています。クロノグラフへの動力の伝達は、垂直クラッチディスクにより行います。これにより、指針がほとんど摩擦がなく作動するため、ムーブメントの動作に一切影響を与えることなく、クロノグラフ秒針を常時回転させてセンターセコンドのように用いることができます。こうした最高の信頼性もまたパテック フィリップのクロノグラフの特徴なのです。
年次カレンダー搭載フライバック・クロノグラフ
■Ref.5905 ■42mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.CH 28-520 QA 24H)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.5
上質を極めたスプリット秒針クロノグラフRef.5204
パテック フィリップのクロノグラフの頂点。それこそが言わずと知れたスプリット秒針クロノグラフのコレクションです。腕時計での歴史のはじまりは1923年、史上初のスプリット秒針付腕時計クロノグラフの開発にまで遡ります。
そもそもスプリット秒針クロノグラフとは、第二のクロノグラフ秒針により、自由に中間タイムを計測、記録が可能で、プッシュボタンの操作で第一のクロノグラフ秒針と揃えることができる機能です。これにより2つのラップタイムが計測できます。極めて複雑な構造であるため、トゥールビヨンやミニット・リピーターに次ぐ最高峰のコンプリケーションのひとつに数えられます。
ローズゴールドケース製の「永久カレンダー搭載スプリット秒針クロノグラフ」Ref.5204は、2016年に登場したモデルです。現在パテック フィリップでは5本のスプリット秒針クロノグラフが展開していますが、その中でも最もドレッシーなスタイリングが人気を集めています。
スプリット秒針クロノグラフ、永久カレンダー
Store Info
取り扱い店舗
YOSHIDA 東京本店
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目13番5号 Google Map
営業時間 10:30~19:30
定休日 年中無休(年末年始を除く)
Tel. 03-3377-5401
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