180年以上の歴史を持つ、世界最高峰の時計メーカーPatek Philippe(パテック フィリップ)。
その正規販売店であり、世界を代表する時計店 YOSHIDA(ヨシダ)が、
さまざまな角度からパテック フィリップという至高のマニュファクチュールの魅力を紐解いていく本連載。
第16回は、パテック フィリップが誇る究極のドレスウォッチ「カラトラバ」のメンズ&レディスコレクションの特集です。
「カラトラバ」の魅力を
パートナーと分かち合う
百合と剣、その両方を表すカラトラバ十字とは、12世紀にムーア人の侵略からカラトラバ要塞を守ったスペインのシトー派宗教騎士団の戦旗で用いられていたもので、カラトラバ十字にちなんで名付けられた腕時計「カラトラバ」は、1932年の誕生以来、後続に続くブランドに多大な影響を与えた時計史上における記念碑的な傑作です。
その原点であるドレスウォッチRef.96は、バウハウスの思想から着想を得たと伝えられる完璧なデザインゆえ、わずか直径31mmほどのケースサイズでありながら、既存のあらゆる時計のデザインに迫力負けしない力強さを宿していました。また、稀に見るロングセラーであったRef.96は無数のバリエーションが存在し、世界中の時計愛好家たちを飽きさせることなく魅了し続けています。これもまたRef.96が永世定番として支持されている理由なのです。
この他にも、1938年に登場したケース径35mmのRef.570、1950年代初頭にパテック フィリップ初の自動巻きムーブメントを搭載したモデルなど、「カラトラバ」は本質を守り続けながら常に進化し続けています。
Ref.96をはじめとする歴代の「カラトラバ」が長い年月とともに築き上げてきた多様性は、200種類以上にも及ぶパテック フィリップの現行コレクションにおいても健在です。
お互いを尊重しながら、パートナーとともに「カラトラバ」を所有する喜びを分かち合う。次項では、そんなギフトシーズンにふさわしい提案として、YOSHIDAが厳選したメンズ&レディスの注目モデルを紹介していきます。
CASE.1Ref.5196
「カラトラバ」の伝統を
色濃く受け継ぐ
スモールセコンド&
手巻きムーブメント
リファレンスナンバーからも分かるように、Ref.5196とは数ある現行コレクションの中で、すべてのカラトラバ・コレクションのルーツであるRef.96のDNAを最も色濃く受け継いでいるモデルです。
「カラトラバ」の伝統を受け継ぐケースフォルム、クラシックの象徴であるスモールセコンド&手巻きムーブメント、そこにケース37mm径のサイズ感が重なることで、“現代のスタンダード”と呼ぶに値するスタイリングに仕上げています。
ケース素材ひとつで見違えるほど印象が変わる点もまた、Ref.5196の完成度やカラトラバ・スタイルの卓越性を証明しています。
カラトラバ
■手巻き(Cal.215 PS)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.2
Ref.5227
現代的な解釈による
オフィサーケースは、
ホワイトゴールド×
黒文字盤が狙い目
センターセコンド&自動巻きムーブメントのRef.5227は、Ref.5196が継承する王道のカラトラバ・スタイルに対して、よりモダンな佇まいが人気を集めています。ちなみに、3型あるうちの今一押しは、シックなホワイトゴールド製のケースを引き締めるラック・ブラックの文字盤のモデルです。
やや太めのラグからも力強さが伝わる39mm径のケースには秘密があり、サファイヤクリスタル・バックを保護するインビジブル・ヒンジ付きカバーが付属しています。
このスタイルは、一般的に“オフィサーケース”と呼ばれるものの一種で、第二次大戦前後に軍の将校が使用していたことに由来して名付けられました。その歴史は古く、懐中時計の時代に製作されていた婦人用のペンダントウォッチにルーツがあると言われています。パテック フィリップの再解釈により現代に蘇ったオフィサーケースからどこか懐かしい雰囲気が感じられる理由はそこにあるのです。
カラトラバ
■Ref.5227 ■39mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.324 S C)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.3
Ref.4897
女性らしい
デザインと色彩を加えた
カラトラバ・コレクションの
新解釈
製品の寿命が長い腕時計のデザインを生み出すことは熟練したデザイナーであろうと一筋縄ではいきません。ましてや究極のドレスウォッチ「カラトラバ」のアレンジとなれば、容易でないことは火を見るよりも明らかでしょう。
こうした高いハードルを乗り越えて発表され続けている「カラトラバ」のレディスウォッチは個性豊かな顔ぶれが揃います。
全5型で展開するRef.4897は、優雅なデザインとカラーリングの提案に定評があります。こちらに並ぶ2本は腕元にやわらかな印象を作るにはうってつけのスタイルだと言えるでしょう。手巻きムーブメントを搭載している点もいかにもパテック フィリップらしいこだわりです。それこそアクセサリーのような感覚でお気に入りのコーディネイトに取り入れてみてはいかがでしょうか。
カラトラバ
■価格はお問い合わせください
カラトラバ
■価格はお問い合わせください
CASE.4Ref.5297
あくまでも
控え目であることにこだわる
「カラトラバ」の
ダイヤモンドセッティング
Ref.5227に通じる、シンプルかつ洗練されたカラトラバ・スタイルを踏襲したRef.5297。2つのモデルの大きな違いは、ケースの構造とダイヤモンドセッティングにあります。
はじめにケースに目を向けてみましょう。Ref.5297の場合、オフィサーケースを採用したRef. 5227と同じ自動巻きムーブメントCal.324 S Cを搭載しつつも、38mm径のやや厚みを抑えたカラトラバケースを採用しています。
ベゼルとインデックスに施された約0.7カラットのダイヤモンドセッティングは、数ある「カラトラバ」の現行コレクションにおける、Ref.5297に与えられた唯一無二の個性にほかなりません。決して華美ではないクラシックで控えめな佇まいには、カラトラバ・スタイルの本質が見事に表現されています。
カラトラバ
■Ref.5297 ■38mm ■ダイヤ付き18Kホワイトゴールドケース(約0.7カラット) ■アリゲーターストラップ
■自動巻き(Cal.324 S C)■30m防水 ■価格はお問い合わせください
CASE.5
Ref.5196P & 7200
メンズ・レディスともに
展開する
ブレゲ数字の
植字インデックス
ブレゲ数字の植字インデックスは、古くからパテック フィリップの愛好家たちに親しまれている意匠のひとつです。カラトラバとのゆかりも深く、スモールセコンド、手巻きムーブメント、カラトラバケースらと同様、Ref.96の時代から多くのモデルに採用されてきました。
この文脈を受け継ぐ現行モデルとして注目を集めているメンズ&レディスモデルを紹介します。
スモールセコンドの仕様でありながら、バーインデックスとは異なるクラシックな趣きを表現したRef.5196P。プラチナの重厚感に負けないシルバーの2トーンダイヤル、その中央にあるリーフハンドとの組み合わせは、まさに“現代との古典”とも言うべき見事なバランスで調和を果たしています。
一方のRef.7200は、女性らしい雰囲気を徹底的に追求した1本です。マイクロローターによる超薄型自動巻きムーブメントCal.240を搭載することで実現したケースフォルムは、特別なエレガンスを醸し出しています。ご覧の通り、ブレゲ数字の植字インデックスとの相性は完璧だと言えるでしょう。
カラトラバ
Store Info
取り扱い店舗
YOSHIDA 東京本店
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目13番5号 Google Map
営業時間 10:30~19:30
定休日 年中無休(年末年始を除く)
Tel. 03-3377-5401
Tel.03-3377-5401
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