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Column UP DATE: 2019. 02. 06

連載 高級時計を巡る旅

第4回:YOSHIDAとセイコー、両社の情熱とつながり

#グランドセイコー #スポーツウォッチ #レディス #マスターショップ専用

第4回:YOSHIDAとセイコー、両社の情熱とつながり 第4回:YOSHIDAとセイコー、両社の情熱とつながり

 常に時代の先を読み、日本の時計産業を支え続けるSEIKO(セイコー)と、
そのトップディーラーとして知られるYOSHIDA(ヨシダ)。
70年以上にも及ぶ両社の信頼関係はどのようにして生まれたのだろうか。その背景に迫る。

Photo: Masahiro Okamura(CROSSOVER) / Art Direction: Takaaki Yagi(FORM::PROCESS) / Text: Yuzo Takeishi / Edit: Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive(グレッシブ)」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

屈指の時計メーカーと
時計店の誕生

銀座のシンボルとして親しまれた「服部時計店」の様子。銀座のシンボルとして親しまれた「服部時計店」の様子。

 セイコーとYOSHIDA、両社のつながりは長く、そして深い。

 現在YOSHIDAでは、セイコーが展開するCREDOR(クレドール)、GALANTE(ガランテ)、そしてGrand Seiko(グランドセイコー)を取り扱い、それらすべてのブランドにおいてセイコー社よりトップディーラーの表彰を受賞している。

 片や日本を代表するマニュファクチュールとしてクオリティを追求し続け、片や世界屈指の時計専門店として、クオリティの高い時計を熱心に販売──70年以上におよぶ両社の情熱と関係性は、YOSHIDAの長い歴史における重要なピースとなっている。

セイコーミュージアムの収蔵されている、国産初の腕時計「ローレル」。セイコーミュージアムの収蔵されている、
国産初の腕時計「ローレル」。

 1881年、後に日本のみならず、世界中の注目を集めることになる時計メーカーのルーツが、京橋区釆女町(現在の銀座五丁目あたり)に誕生した。

 店の名は「服部時計店」。中古時計の修理と販売を軸とした小売業として商いをスタートし、その後、1892年には時計製造工場の「精工舎」を設立した。1895年には自社初となる懐中時計「タイムキーパー」を発売し、1910年にはひげぜんまいの国産化にも成功。そして1913年、ついに国産初の腕時計「ローレル」を完成させる。後のセイコーは最高峰の時計メーカーとなるべく、着実にその礎を築き上げていく。

セイコーミュージアムの収蔵されている、国産初の腕時計「ローレル」。セイコーミュージアムの収蔵されている、国産初の腕時計「ローレル」。
「吉田時計眼鏡店」2代目社長・吉田正とその家族、社員による記念写真。「吉田時計眼鏡店」2代目社長・吉田正とその家族、社員による記念写真。

 日本の時計史におけるエポックメイキングな出来事から7年後の1920年、「吉田時計眼鏡店」は創業した。現在のYOSHIDAである。この頃の京王線はまだ甲州街道を走る電気軌道で、街道には馬車や牛車の往来もあった。のどかな時代である。

1960年に登場したグランドセイコーのファーストモデル。

1960年に登場したグランドセイコーのファーストモデル。

 貴金属や舶来時計を扱うなかでも、セイコーは主軸だった。なかでも、当時の機械式時計の最高峰ブランドとして1960年にデビューしたグランドセイコーは、高精度かつ高品質だったことからたちまち話題に。その後発売されるキングセイコーやファイブスポーツも含め、当時のセイコーの評判はYOSHIDAの顧客のなかでも圧倒的に高かったという。それゆえ、盆や正月に実施されていたセール期間は、ウインドウに並ぶ商品だけでは数が足りなくなってしまうほど。セイコーの人気とYOSHIDAの販売力は、この当時すでに確立していたのだ。

1960年に登場したグランドセイコーのファーストモデル。

サマーセールの様子を収めた、古き良き時代の「吉田時計眼鏡店」の店頭。サマーセールの様子を収めた、古き良き時代の「吉田時計眼鏡店」の店頭。

 やがて1974年、14金、18金などの貴金属をマテリアルとした「セイコー特選腕時計」をグループ化し、「セイコー クレドール」が誕生する。世界初のクオーツ式ドレスウォッチだ。クレドールは1981年、国民的ヒーローであり、現役を引退したばかりの長嶋茂雄を広告に起用するなど、ステイタスの向上に注力した。

 そのため、厳選された店舗のみでの取り扱いとなったが、YOSHIDAでは、すでに高級品を中心に販売していたことに加え、セイコーの時計をしっかりと販売してきた実績がある。YOSHIDAがクレドールを取り扱うことは必然だった。手軽なクオーツ時計やICライターなど、便利でリーズナブルなものが消費される時代。そんな中でも、YOSHIDAは高級路線を貫いた。

サマーセールの様子を収めた、古き良き時代の「吉田時計眼鏡店」の店頭。サマーセールの様子を収めた、古き良き時代の「吉田時計眼鏡店」の店頭。
  • Grand Seiko グランドセイコー SBGH201
  • Grand Seiko グランドセイコー SBGH201
  • Grand Seiko グランドセイコー SBGH201

SBGH201

2009年に復活を遂げたのが、メカニカルハイビートモデル「9S8シリーズ」。
グランドセイコーのデザインコードを踏襲したシンプルかつ上品な意匠は、エレガントな装いにも溶け込む。

■40.2mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■自動巻き ■10気圧防水

 クオーツ全盛の時代が続くが、やがて’80年代半ばには世界的に時計ブームが興り、1988年にはグランドセイコーがクオーツムーブメントを搭載して復活する。1993年にはキャリバー9F8系を搭載し、外観もかつてのグランドセイコー“らしさ”を携えた出来映えとなった。

 しかし、グランドセイコーの躍進はここからだ。1998年には、完全新規設計のキャリバー9S55を搭載して24年ぶりに機械式モデルが復活する。2004年には、ぜんまいで駆動し、クオーツと同等の高精度を実現するセイコーの独自機構「スプリングドライブ」を採用したモデルがラインナップ。そして、2009年にはキャリバー9S85を搭載し、オリジナルから実に41年の時を経て、ハイビートモデルが蘇ったのだ。

 この高精度モデルの復活を機に、クレドール中心だったYOSHIDAは再びグランドセイコーにも注力。その結果、クレドール、ガランテ、そしてグランドセイコーの3ブランドにおいて、何年にもわたってトップディーラーを名乗っていくことになり、それは今後も継続されていくだろう。

 YOSHIDAにとってセイコーとは「顧客を惹きつけるブランド」であるという。昔から、セイコーはブランドの認知力があり、何より信頼があった。それゆえに、セイコーを扱っているというだけで集客につながったという。

 クオリティを追求し続けるセイコーと、高級路線を貫き信頼性の高い時計だけを販売し続けるYOSHIDA。両社にとって、その先にあるのは「顧客ファースト」の視点である。

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日本が世界に誇る、
高級時計のスタンダード

 3つのコレクションから構成される、グランドセイコーのラインナップ。その魅力を誰よりも知るYOSHIDAが選ぶ、世界に羽ばたくクオリティがここにある。

Grand Seiko グランドセイコー SBGA211

SBGA211

ぜんまいを動力源に、クオーツと同等の高精度を実現したスプリングドライブを搭載。ケースとブレスレットにはブライトチタンを採用。

■41mm ■ブライトチタンケース&ブレスレット ■スプリングドライブ 自動巻き ■10気圧防水 ■マスターショップ専用モデル ■¥858,000(税込)

商品詳細はこちら

Grand Seiko グランドセイコー SBGR311

SBGR311

キャリバー9Sの20周年を記念した1300本の限定モデル。雫石町に根付く鍛冶の伝統をイメージした、上品なブラウンダイアルが印象的。

■42mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■自動巻き ■10気圧防水 ■1300本限定

Grand Seiko グランドセイコー SBGC201

SBGC201

スプリングドライブを搭載したクロノグラフモデル。精度、外装のみならずプッシュボタンの操作性にもこだわった。

■43.5mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■スプリングドライブ 自動巻き ■10気圧防水 ■マスターショップ専用モデル

Grand Seiko グランドセイコー STGF271

STGF271

深みのある白蝶貝ダイアルに、ダイヤモンドのインデックスをセットしたレディスモデル。美しいケースとの絶妙なマッチングを楽しめる。

■28.9mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■クオーツ ■10気圧防水 ■マスターショップ専用モデル

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YOSHIDA 東京本店 〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目13番5号 Google Map
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定休日 年中無休(年末年始を除く) Tel. 03-3377-5401 Tel.03-3377-5401

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