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Column UP DATE: 2023. 08. 31

連載 高級時計を巡る旅

第113回:老舗マニュファクチュール「ゼニス」が発表した2023年の注目作

#ゼニス #YOSHIDA限定 #クロノマスター #デファイ #デファイ スカイライン #クロノグラフ #エル・プリメロ #パイロットウォッチ

 新型コロナの影響がほぼ払拭され、2023年の3月から4月にかけてジュネーブにおいて世界最大級の時計見本市の
「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2023」が開催された。この見本市においてスイスの老舗マニュファクチュールである
ゼニス(ZENITH)は数多くの話題作を発表したが、今回は、その中からケース&ブレスレットにブラックのセラミックを用いた
「デファイ スカイライン」、東京の名店YOSHIDA(ヨシダ)とのコラボレーションから生まれた
「クロノマスター スポーツ YOSHIDA SPECIAL EDITION」、大幅にリニューアルを果たした「パイロット」を紹介しよう。

Photos: Masahiro Okamura(CROSSOVER) /Text:Masaharu Nabata / Edit:Tsuneyuki Tokano
※こちらの特集は、時計専門サイト「Gressive(グレッシブ)」での連載コラム『YOSHIDAで体験する、高級時計への旅』の記事を再編集したものです。
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

精悍なフォルムに宿した
ブラックの魅力

 今やモダンウォッチにとって必須のフォルムとなったケースからブレスレットにかけての流麗なラインを持つ「デファイ スカイライン」の新作は、ケースおよびブレスレットにブラックセラミックを採用。ブラックのサンバースト仕上げを施したダイアルとのコンビネーションによって、落ち着きの中にも静かな凄みを感じさせるマッシブなモデルとして高い完成度を示している。

 このブラックセラミック製のケースは、これまでの「デファイ スカイライン」と同様にファセットカット(エッジ部分の面取り加工)を施したベゼルを装着することで、シャープな造形の中にホッとするような優しさを表現しているように思う。

 また、ダイアルには全面に、ゼニスの象徴である4つの点を結んだ星を刻印することで、蓄光素材入りのバーインデックスや、同じく蓄光素材をセンターにあしらった太く力強い針の存在を、より浮き立たせる効果が生まれている。

 さらに2023年の新作として同時に発表された「デファイ スカイライン ブラックセラミック スケルトン」では、オープンワークが施されたスケルトン仕様のダイアルを採用することで、その下にある機械式ムーブメントのディテールに迫ることが可能となっている。

 そして、この新作でもっともアピールしたいのが、9時位置に初の1/10秒インジケーターを備えた、新開発の自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ 3620 SK」が搭載されていることだ。しかも、この高い振動数にも関わらず、パワーリザーブは約55時間とたっぷり確保されており、実用性も極めて高い。

 いずれのモデルもセラミック製ブレスレットの他にブラックのラバーストラップが付属。 ケースに備えられたクイックストラップチェンジ機構を活用することで、手軽にブレスレットとストラップを交換して楽しむことができる。

デファイ スカイライン ブラックセラミック

9時位置に1/10秒表示のインダイアルを装備。ケースおよびブレスレットはブラックのセラミック製。ムーブメントは名機「エル・プリメロ」のシンプル・バージョンで毎時36,000振動(5Hz)のハイビートによる高い精度と約60時間の長いパワーリザーブを誇る。

■49.9300.3620/21.I001 ■41mm
■ブラックセラミックケース&ブレスレット
■自動巻き ■10気圧防水 ■¥2,112,000(税込)

商品詳細はこちら

デファイ スカイライン ブラックセラミック スケルトン

大胆なオープンワークが施されたダイアルから、シリコン製のアンクルとガンギ車など、メカニズムの中枢が見えるスケルトン仕様ダイアルを装備するモデル。星空が描かれたブラックラバーストラップという2本のストラップが付属し、簡単に交換して楽しめる。

■49.9300.3620/78.I001 ■41mm
■ブラックセラミックケース&ブレスレット
■自動巻き ■10気圧防水 ■¥2,409,000(税込)

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YOSHIDAでしか入手できない
「クロノマスター スポーツ」
特別バージョン

 今や日本だけでなく、世界中のウォッチエンスージアストたちに注目される存在となったのが、東京屈指の名時計店といわれるYOSHIDAとゼニスとのコラボレーションである。その特別なモデル「クロノマスター スポーツ YOSHIDA SPECIAL EDITION」の2023年バージョン3本が発表された。

 1本目は、グリーンセラミック製のベゼルとラッカー仕上げのグリーンのダイアルをマッチングさせた極めて印象深いモデル。ケース及びブレスレットはステンレススチール製である。
 2本目も同じくステンレススチールを採用。ダイアルはクールな魅力をたたえるアイスブルーを用い、これにシルバーカラーのインダイアルを配置することで、その魅力をより一層際立たせている。この精悍なダイアルのカラーリングを引き締めるのがブラックのセラミック製ベゼル。このステンレスのシルバーとダイアルのブルー、ベゼルのブラックが三位一体となることで、「クロノマスター スポーツ」に新たなカラーリングの魅力と可能性をもたらすことに成功したといえるだろう。ちなみにこちらのモデルは、「名古屋 YOSHIDA」のみの取り扱いとなる。

 ケースとブレスレットに18Kイエローゴールドを用いた3本目は、ずっしりとした質感で腕に装着することの充足感がダイレクトに実感できる。このモデルのダイアルもグリーンを採用。ステンレススチールのモデルとは、またひと味もふた味も違う、ゴールドとグリーンという高貴なカラーの組み合わせの妙を、心ゆくまで堪能していただきたいと思うのだ。
 もちろん、これらのモデルに搭載されるのは、ゼニスが生み出した自動巻きクロノグラフの傑作ムーブメント「エル・プリメロ」。このモデルには1969年発表の「エル・プリメロ」に大幅な改良を加えた1/10秒単位の計測が可能な進化型キャリバー「エル・プリメロ 3600」が採用され、ベゼルの刻印も、すべて1/10秒計測に対応するものとなっている。

クロノマスター スポーツ
YOSHIDA SPECIAL EDITION

グリーンのダイアルとセラミック製ベゼルが印象的な「クロノマスター スポーツ YOSHIDA SPECIAL EDITION」は希少な限定モデル。ムーブメントは「エル・プリメロ 3600」。センターのクロノグラフ針は10秒で1回転し、1/10秒の高精度で経過時間の計測が可能。

■03.3107.3600/56.M3100 ■41mm
■ステンレススチールケース&ブレスレット
■自動巻き ■10気圧防水
■YOSHIDAスペシャルモデル
■¥1,650,000(税込)

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クロノマスター スポーツ
YOSHIDA SPECIAL EDITION

アイスブルーにシルバーのインダイアルのコンビネーションが魅力的なこのモデルは、YOSHIDA名古屋店限定のレアな逸品。ブラックのセラミックベゼルが全体のトーンをキリリと引き締めている点も見どころのひとつである。

■03.3106.3600/55.M3100 ■41mm
■ステンレススチールケース&ブレスレット
■自動巻き ■10気圧防水
■YOSHIDAスペシャルモデル 名古屋店限定
■¥1,650,000(税込)

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クロノマスター スポーツ
YOSHIDA SPECIAL EDITION

まばゆい輝きを見せる18Kイエローゴールドのケース&ブレスレットに、鮮やかなグリーンラッカー仕上げのダイアルが圧倒的な存在感を示す、ウルトラ・レアなYOSHIDA SPECIAL EDITION。もちろん日本のYOSHIDAだけの独占販売となっている。

■30.3100.3600/56.M3100 ■41mm
■18Kイエローゴールド&ブレスレット
■自動巻き ■10気圧防水
■YOSHIDAスペシャルモデル
■¥4,895,000(税込)

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モダンなデザインへと進化を遂げた
「パイロット 」コレクション

「デファイ」や「クロノマスター」「エリート」と並び、ゼニスの旗艦コレクションのひとつとして多くのファンを持つ「パイロット」。その歴史は旧く、創業者のジョルジュ・ファーブル=ジャコによって、すでに1888年にフランス語の「Pilote」が、さらに1904年には英語の「Pilot」の名称が商標登録されている。また、1909年に英仏海峡横断飛行を成し遂げたルイ・ブレリオが身に着けていたのもゼニスの時計であったと言われるなど、ゼニスはパイロットウォッチの先駆的な存在であり、長年にわたってパイロットたちの信頼を獲得し続けてきたのだ。

 これまでの「パイロット」コレクションは、そうしたブランドの歴史にオマージュを捧げ、往時のパイロットウォッチを想起させるヴィンテージライクなデザインだったが、2023年に発表された2種類の新作は、モダンな雰囲気を漂わせるルックスへと大胆にチェンジした。しかもそのデザインは、単純にヴィンテージからの脱却を図っただけではなく、過去と現在の航空界にインスパイアされたものになっているのだ。

 そのひとつ、「パイロット オートマティック」は、ケース素材にステンレススチール、またはブラックセラミックを用いた2モデルをラインナップ。特に目を引くのが、横方向のウェーブパターンを施したダイアルで、これは古い航空機に見られる波型のメタルシートに着想を得たものだという。その一方で、インデックスはモダンなフォントへと変更しており、まさに過去と現在のエレメントを巧みに組み合わせた内容になっている。

 ルックス面は大きく変わったものの、時刻の視認性は確保。また大型のリュウズもエッジの効いたフォルムへと変更されたが、グローブを装着したままでも操作しやすいなど、パイロットウォッチに求められるファクターはしっかりと継承されている。搭載するムーブメントは自社製のエル・プリメロ 3620。3万6000振動/時の振動数によって高精度を実現し、パワーリザーブも約60時間とするなど、デイリーに使いやすい時計に仕上がっている。

パイロット オートマティック

■03.4000.3620/21.I001 ■40mm
■ステンレススチールケース
■ブラックのコーデュラ・エフェクト ラバーストラップ
(ブラウンのカーフレザー ストラップが付属)
■自動巻き ■10気圧防水 ■¥1,067,000(税込)

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パイロット オートマティック

■49.4000.3620/21.I001 ■40mm
■ブラックセラミックケース
■ブラックのコーデュラ・エフェクト ラバーストラップ
(カーキのコーデュラ・エフェクト ストラップが付属)
■自動巻き ■10気圧防水 ■¥1,342,000(税込)

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 もうひとつの「パイロット ビッグデイト フライバック」もステンレススチールとブラックセラミックの2バージョンをラインナップするが、前者はセンターのクロノグラフ針とクロノグラフ分針をオレンジで彩り、さらに30分積算計の周囲を5分ごとに色分けすることで、経過時間を瞬時に読み取れるようにしている。これは1997年に発売されて人気を博した「レインボー フライバック」にオマージュを捧げた意匠であり、こちらも、過去と現在のデザインエレメントを上手く組み合わせた時計であることが分かる。

 このモデルのハイライトとなるのが、ビッグデイトとフライバック機能の融合だ。搭載するのは高振動の自動巻きクロノグラフムーブメント、エル・プリメロ 3652で、日付表示はふたつのディスクを0.007秒以内に進めて安定させる特許取得済みの機構を備えている。そしてフライバックは、そもそもグローブを装着したパイロットの操作を簡素化するために考案された機能で、ワンプッシュで計測をゼロリセットして再開できるため、クロノグラフ機能を停止せずに連続した時間を記録することが可能だ。この機能を活用するシーンは限定されるが、古い機体に着想を得たダイアルのパターンを含め、大空を駆けるパイロットに想いを馳せられるだろう。

パイロット ビッグデイト フライバック

■03.4000.3652/21.I001 ■42.5mm
■ステンレススチールケース
■ブラックのコーデュラ・エフェクト ラバーストラップ
(ブラウンのカーフレザー ストラップが付属)
■自動巻き ■10気圧防水 ■¥1,617,000(税込)

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パイロット ビッグデイト フライバック

■49.4000.3652/21.I001 ■42.5mm
■ブラックセラミックケース
■ブラックのコーデュラ・エフェクト ラバーストラップ
(カーキのコーデュラ・エフェクト ストラップが付属)
■自動巻き ■10気圧防水 ■¥1,837,000(税込)

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